「うれしさをカタチに」ダイハツ ハイゼットカーゴのエクステリアデザイナーに聞く〈1〉

2017年11月13日にマイナーチェンジしたダイハツの軽商用車「ハイゼット カーゴ」と、その乗用車版である「アトレー ワゴン」。軽商用車初の歩行者も認識する衝突回避支援システム(スマートアシストIII)も搭載し、商品力をグッと高めた。

外装もヘッドライトを小型化し、台形の大型グリルを採用するなど、シャープさと安定感が増したものに刷新。その外形デザインを手がけたのが、ダイハツ工業株式会社 デザイン部 第1デザイン室の本多秀有(ほんだ・ひでゆう)さん。新型の顔つきは、ある「仮説」から生まれたものだという。早速お話を伺った。

●「私が担当しました」(本多さん)

正直なカタチ

— だいぶ顔つきが変わりましたね。報道資料には「シャープでたくましいデザイン」とありますが、やはり狙ったところは “そこ” ですか?

「シャープなデザイン」にするのが目的ではなく、まずは「正直なデザイン」にしたいと思いました。要は、必要以上に媚びていたりとか、必要以上にカッコつけたりするのではなく、とにかく「理詰め」のカタチにすることを心がけました。

例えばバンパーひとつをとっても、型の大きさだったり、値段に直接響いてくるところの“パズル”を、いちばん合理的な数字になるよう取り組んだところが大きいです。

あとは、これまでの一般的な軽商用車(商用バン)のデザインとは一線を画したものにしたいという思いはありましたね。これまで軽商用車といったら、デザインにもやや「諦め」が見受けられたかと思います。でも、そこは「まだまだできるはずだ」と、いろんなことにトライしました。

理想のカタチを実現するためには技術も必要です。そこで、クレイモデラーもウチ(ダイハツ)でいちばんのベテランにお願いしました。やっぱり技量に差が出ますから。この手のクルマは普通のクルマとは違って、意匠(デザイン)ができる範囲がものすごく少ないんです。それこそ「コンマ1ミリとか2ミリ」というところを調整していかないと普通にならない。なので、そういったところを“詰めて詰めて”デザインしました。

●キャッチコピーは「いい顔つきが、仕事に差をつける。」(ハイゼット カーゴ「スペシャル“SAIII”」)

— 失礼ながら、正直、軽のバンなんてどれも同じ顔とカタチなんて思っていました。確かに、サイズが小さくなるほど制約は大きくなりますからね。軽自動車のデザインって、大きなクルマよりも難しいんですか?

はるかに難しいです。これまで大きなクルマからいろいろやってきましたけど、今回のこのクルマがいちばん難しかったです。いわゆる「箱バン」は、あまねくクルマのなかでいちばん寸法がないですから。これがホントにないんですよ(笑)。上から見たら“真っすぐ”みたいな感じで。なので、デザイン上でもそう見えないようなテクニックを使い、ことさらそれが目立たないようにしています。

2:「遠目が大事」