「うれしさをカタチに」ダイハツ ハイゼットカーゴのエクステリアデザイナーに聞く〈2〉


遠目が大事

●ヘッドライトは「ハイゼット」(右)よりも薄く小型化。似ているようで結構違うのだ

— 箱バンの顔って変えようがないと思うんですが。ライトのちょっとした角度であったり段差だったり…やっぱりディテール重視なんですか?

もちろんそういったところも重要ですが、今回のデザインで特にこだわったのは“面質”です。例えばボンネットフード。この部分ひとつをとっても、さまざまな条件があります。(フードの)高さも、歩行者保護の要件を十分満たすものでなければならない。そういったハードポイントをクリアしながら面を豊かにして、かつ古くさくない……モダンで、シンプルで、クリーンで、かつ正直なデザインになるよう心がけました。

— 難しいんですね。確かにあまりに平らにすると味気ないし、デコデコさせすぎても美しくないし……

アトレーワゴンではここ(ボンネットフード)にガーニッシュが付くのですが、これを付けたときに全長が(軽自動車枠から)出ないようギリギリのところを攻めています。そういった理詰めで作っていかないと、こういったクルマのデザインはできません。

●フードにメッキフロントグリルが備わる「アトレーワゴン」(左)。「ハイゼット カーゴ」にもLEDヘッドライトをオプション設定する

— 「カーゴ」のデザインをベースに「ワゴン」を作ったと考えていいんですか?

いえ。普通はそうなんですが、今回はどちらも同時に進めました。さきほどの細かな“パズル”があるものですから。ヘッドライトひとつをとっても、性能をきちっと担保しながらどこがミニマムなサイズなのかを探りました。ことさらにライトを大きくしてしまうと(価格が)高くなってしまうので。「デザインを変えました、だから高くなりました」では、このクルマの意味がなくなってしまう。まずは安全性能を上げる。でも価格は抑えたい……。そのせめぎ合いから生まれた大きさとカタチです。

●新旧の顔つき(左が従来型)。遠目からでも「変わった」ことがわかるようデザインを心がけた

— 商用の「カーゴ」でも顔つきが貧相に見えないですね。何より前のモデルからだいぶ変わったように見えます

「変わる」ということは、すごく大事。乗用車であれば「売るために」変えるということもありますが、このクルマは商用車ですから。やはり法人で使われる方が多いです。

なかには、古いハイゼットと新しいハイゼットカーゴの両方をお持ちの事業体の方も多くおられます。例えば社用車として使われている場合、外回りに出るときに新しいクルマがあいていたら、やっぱりそっちに乗りたいと思うじゃないですか。そこで、事務所から遠くの駐車場に置かれたクルマを見たときに、その距離感でも「新しい」ことがわかるというのがすごく大事なんです。確かに制約は少なくありませんが、そのなかでも微妙にバランスを変えてやるとか、そういったデザインの工夫をしました。

3:「うれしいデザイン」