あらためて “センティア” がエモすぎる件(2)

●本カタログから。CD値も0.32とハイレベルでした

もっとも特徴的なのは、やはりサイドビューでしょう。全長4925㎜、全幅1795㎜、全高1380㎜、ホイールベース2850㎜のボディは、新型クラウンと比べると全長で15㎜長く、全幅は5㎜狭いもの。なかでも大きく違うのが全高で、センティアはクラウンよりも75㎜も低い。さらに驚くのがホイールベース。じつはクラウンよりも70㎜も “短い” !のです。当時はうすらデカく感じましたが……やっぱりいまのクルマって、大きいんですね。
低く構えた伸びやかなFRレイアウトにより、前後重量配分52:48を達成。タイヤはサイズは全車205/65R15なのですが、それでも小さく感じられません。やっぱりいまのクルマって、大きいんですね。

●耳が痛い……

「ダイエットとは、減量のための節食というより、健康状態をベストに保つためのカロリーコントロールのこと(中略)。センティアは、軽量アルミをふんだんに使って全身のウエイトを軽くするとともに、3L、2.5LともにV6エンジンのダイエットに取り組みました。(中略)これからは、心地いい『ダイエット』の時代です」。

●意外とキレるんです

「(前略)センティアは、新世代4WS(4輪操舵)としたうえで後輪の最大切れ角を格段に大きくし、最小回転半径をわずか4.9mに抑えました。これは1500ccクラスのFF車に匹敵するコンパクトさです(後略)」。ちなみに新型クラウンの17インチタイヤ装着車の同値は5.3m、アテンザセダンが5.6m。確かに意外な才能です。

●グルグル回して塗りました

「(前略)キメの細かな高鮮映性鋼板をベースに入念な塗装を施したセンティアなら、洗車のしがいもあるというものです。しかもEXCLUSIVEは、独創の回転塗装技術を駆使したハイレフコート。ボディ全体をゆっくりと回転させながら丹念に塗り上げていくことで塗装を飛躍的に厚くし、漆のような艶と鏡のような滑らかさ、細かなキズのつきにくい硬い塗装面を実現しました(後略)」。このあたりの技術は “10年基準” をうたったユーノス500や同800とほぼ共通ですね。

●太陽光を使った世界初の技術

「(前略)センティアは量産世界初のソーラーファンベンチレーションシステムを開発しました。サンルーフ部に装着した太陽電池のエネルギーで専用ファンを作動させ、エンジンやバッテリーの力を借りずに駐車中の室内を換気。炎天下に長く駐車する時など、室内温度の異常なまでの上昇を抑えます。太陽電池のエネルギーは、必要に応じてバッテリーの補充電に活用することもできます(後略)」。ちなみに同システムはエクスクルーシブにオプション。アウディなどよりも、ずいぶん前に採用されていました。

●結びのキャッチは、「あなたはセダンを愉しんでいますか」

「というわけで、センティアのプロフィールのほんの一部をご紹介しました。(中略)お話したいことはまだまだあります。でも、センティアが目指すまったく新しいセダン像の一端は、感じとっていただけたのではないでしょうか(後略)」。

●最後の見開きも、粋でエモい感じのセリフで

クルマもカタログも “エモさ” 全開です。ちなみにデビュー当時は3L・2.5Lとも2つ、計4グレードを設定。当時の価格は、ベースグレードの「25リミテッド」が274万円、最上級の「エクスクルーシブ」は414万円。

カタチに技術に意欲的なモデルでしたが、当時はまだ「マツダのクルマに400万? だったらディアマンテかクラウン買うよ」……なんて時代。ヒットにはつながらず、フツーのセダンになった2代目を最後に「センティア」の名は消滅。その後、最上位モデルの座をミレーニア、そして現在のアテンザに譲ることとなったのです。

現在のマツダの “魂動デザイン” とはまた違う趣で、いまの国産ラージセダン市場に投入されても十分イケるスタイリングだと思うのですが(どうでしょう?)。ちなみに初代のエクステリアデザインは、初代NAロードスターも手がけた田中俊治氏によるものでした。

ちょうどバブルが弾けた91年に登場というのも、なんとなくこのクルマを象徴するひとつであるような気がします。〈編集部・土田〉

●センティアから5カ月遅れの91年10月に登場した、もう1台の国産ラージセダン。初代アリストは “マッシブ” エモい!