外ナンバーって違法駐車し放題……何でも許されるってホント?

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外ナンバーって何だ?

フジテレビ系列の報道FNNニュースで「外ナンバー」の違法駐車などの問題が報道され、これを視聴した方も多いと思う。

報道のタイトルは”追跡スクープ「外交特権悪用の実態」第2弾”。FNNは以前も外ナンバーの違法駐車を報道していたが、今回は外ナンバーの運転者の違法駐車に加え、運転手の飲酒運転の疑いを報じていた。

外ナンバーの見た目といえば、ブルーの地に「外○○○○」と白文字で数字が書かれている。だが、普通のナンバーとの違いは、見た目だけではない。通常のクルマが装着しているナンバーは国土交通省が管轄する「自動車登録番号標」というのに対し、ブルーの外ナンバーは外務省が発行するもので、国土交通省のナンバープレートとはそもそも扱いが違うのだ。

外務省が発行する外ナンバーは駐日大使館や外交団に対して交付され、大使館などで使うクルマに装着されている。そのため”大使館ナンバー”などと呼ばれることも多い。東京港区やその周辺は多くの駐日大使館が存在するため、六本木や麻布といった場所では外ナンバー目にする機会が多い。

外ナンバーのなかでも”最強”とされるのが○(まる)外ナンバーと呼ばれるものだ。漢字の外をまるで囲った文字に数字が続くもの。一見すると外ナンバーと大差ないように見えるが、○外ナンバーは大使に対して交付されるナンバー、すなわち格が違うのだ。そのため都内でも○外ナンバーを見ることは少なく、国際的な公式行事などが行われると目にする機会が増える。国を代表する駐日大使が乗るクルマのため、○外ナンバーを付けているのは高級車が多く、それに対して大使館のクルマが付ける外ナンバーは庶民的なクルマであることもある。

年間3000件も放置違反金を踏み倒している

前述のFNNのニュースに登場した違法駐車と飲酒疑惑の大使館ナンバーを付けたクルマは、ホンダのコンパクトSUV、ヴェゼルだった。あまり予算がない大使館は、中古のコンパクトセダンに外ナンバーを付けていることもある。ニュースでも取り上げられたように、外ナンバーのクルマでも違法駐車していると駐車監視員に放置駐車違反のシール(放置車両確認標章)をフロントガラスに貼られる。ニュースでは外ナンバーのクルマが都内で駐車違反の取り締まりを受ける映像が流されたが、放置違反金を納付することは少ないようで、納付金を踏み倒している件数は年間3000件にのぼっているという。この3000件の内、ロシアと中国の2カ国だけで半数近くを占めているとも伝えている。驚くべき数字だ。

通常、放置違反を繰り返すとクルマの運行が停止されたり、車検(継続検査)が受けられなくなるが、外ナンバーは関係ない。外務省の管轄で国土交通省の登録車でもないためもともと車検がなく、自動車税や自動車重量税もなく、自動車賠償責任保険の加入義務もない。駐車違反を繰り返すようないい加減な国の外ナンバーのクルマと事故を起こすと、大変なことになるわけだ。

車検もなく、ナンバーも特殊なのにETCの車載器のセットアップはどうするのだろうか。じつはちゃんとセットアップできる。外務省が発行する「外交官用自動車の登録証明書」を基にセットアップしてETCゲートの通行が可能。領事館などに発行される領○○や代表部に発行される代○○も同様だ。ただしETCを正しく使っているかは不明。

違法行為をしても実質的にペナルティーが科せられないのは、ウィーン条約に基づく”外交特権”があるからだ。外ナンバーはもちろん、○外ナンバーの車内は、日本の法律が及ばない。それらクルマの中は”外国”というわけだ。大使館の建物の中と同様で、車内は動く外国。外ナンバーを付けたクルマの近くを走らないようにするのが賢明だ。

〈文=丸山 誠〉