伝統のエステートが生まれ変わった! ボルボ V60が登場

●左から、ボルボ・カー・ジャパンの木村社長、ボルボ本社からセーフティ部門ディレクターのヤン・イヴァーソン氏、デザイン部門シニアディレクターのT.ジョン・メイヤー氏

ディーゼルは残念ながら導入ナシ

240シリーズから続くボルボ伝統のエステート(ワゴン)。ブランドを代表するミドルサイズのステーションワゴン、V60がフルモデルチェンジされ2018年9月25日に発表された。発売は同日より全国のボルボ カー正規ディーラーで開始する。価格は499万円から。

●V60 T5 インスクリプション
●V60 T5 インスクリプション

XC90から始まったボルボの新世代アーキテクチャー「SPA(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)」を採用した、第5弾。先代V60と比較すると、低く伸びやかなプロポーションに変わった。これは一足お先に登場している、フラッグシップモデルV90とも共通する特徴だ。

●先代のV60
●SPAは、Aピラーの延長線上にフロントアクスルを配置するのが特徴。オレンジの円が新型V60の前輪の位置だ。先代と比較すると、前輪が前に移動しているのがわかる
●新型V60。先代と比べると伸びやかなプロポーションに変わった
●工業製品のすべてはプロポーションが重要だと語った、デザイン部門シニアディレクターのT.ジョン・メイヤー氏

しかし、そのV90と比較してもV60はよりアグレッシブに細部が作り込まれている。ボディサイドのプレスラインは、一直線のV90よりも前後のフェンダーを強調するような形状になっている。ヘッドライトも、特徴的なT字型アイコン「トールハンマー」をより生かしたデザインとなった。

●V60の奥に見えるのが、フラッグシップモデルのV90

●ヘッドライトのなかに収まっているV90(下)のトールハンマーに対し、V60(上)はグリルの方向に飛び出したデザイン

●V90(上)は直線的なプレスラインで伸びやかさを表現したのに対し、V60(下)は前後のプレスラインを分断し、アグレシッブさをアピールする
●同じエステートでも、リヤウインドーの寝かせ方がまったく違う。左がV60で右がV90だ

特徴はデザインだけではない。発表会の会場では、3つのポイントに分けてプレゼンが進んだ。

まず1つ目は、新たな先進安全技術の追加だ。正面衝突の被害を軽減する自動ブレーキを、ボルボ車で初採用している。これは、前方から接近するクルマを検知すると、ドライバーの操作が遅れても自動でフルブレーキングを行ってくれる機能だ。これにより衝突時のインパクトを軽減する。

●対向車線から追い越しのために自分の走行車線へはみ出てきたケースなどの、正面衝突を想定した自動ブレーキシステム。今までの衝突時の時速より10km/h落とすようにブレーキングされる

このほかに従来から採用されている先進安全装備は、もちろんもれなく標準装備となる。ボルボの安全神話は変わっていない。

●セーフティ部門ディレクターのヤン・イヴァーソン氏は、ボルボの安全への取り組みをその長い歴史とともに紹介。240の時代からオフセット衝突実験を行っていたことも明かされた

そして2つ目は、2種類のPHEV(プラグインハイブリッド)をラインアップしたことだ。PHEVに「ツインエンジン」の名が与えられるのは、ほかの新世代ボルボ車と同じだが、今までのT8に加え、エンジンの出力特性を抑えたT6を用意。価格も70万円安く設定された。そして、それだけではなく、このT6はさらにスタンダードなグレードも用意する予定であると発表された。まだグレード名しか発表されてはいないが、価格は749万円のインスクリプションよりも低い設定となることは間違いない。

今回、サイズがV60以下の車種には今後ディーゼルエンジンの搭載は見送り、その代わりPHEVやEVを導入していくとも発表したボルボ。今後徐々に電動化へ舵を切っていくようだ。したがって、V60にはディーゼル搭載車は導入されない。

●世界一のディーゼル市場でもあった欧州でも、ディーゼルの比率は減少していることを示す統計グラフ。ボルボは今後のリセール価値を落とさないために、ディーゼルのラインアップを減少していき、V60以下のサイズには導入しない方向のようだ

最後に3つ目。輸入車インポーターでは初となる5年間の長期保証をつけている。しかも走行距離の制限はナシだ。トラブルが出たときが怖いと思って購入を躊躇していた人にとっては、朗報とも言えるだろう。

●輸入車としては国内初の長期保証。しかも走行距離無制限とは。国産メーカーでもなかなか見られないサービス体制だ

 

日本を意識したサイズ設定

日本のユーザーにとって嬉しいポイントもある。それは、日本市場を意識して設定された、1850mmという全幅のサイズ。これは、先代と比べると15mm狭くなっている寸法で、日本での使用を考慮して設定したサイズだという。モデルチェンジのたびにボディが拡大している最近の新車では、極めてまれなケースと言える。それでも先代よりワイドで低く見えるのは、デザインの巧妙さだろう。

●インテリアは最新のボルボデザインに則っている。レザーシートはインスクリプションに標準装備。モーメンタムは、合成皮革とファブリックのコンビネーションシートとなる

この幅の話を聞いて筆者が思い出したのは、最近モデルチェンジしたばかりのトヨタ クラウン。こちらも1800mmの全幅は先代から変わらず守られた。国内での使用を考慮した結果だ。ユーザー側に立って開発をしてくれていると嬉しく感じる部分でもある。

●販売好調な新型クラウン。全長こそクラウンのほうが若干長いが、ほぼサイズも一緒。価格帯もかぶっていて、5年間保証もしてくれる。そういう意味でV60は、ワゴンが欲しい人にとっては嬉しい選択肢になりそうだ

そして同時に考えたのが、かつて高級ワゴンとして人気を博したクラウンエステート(ワゴン)からの乗り換えとしても、このV60はちょうどいいサイズと価格の設定だということ。国産モデルから高級ワゴンが消滅してから久しい。ドイツのプレミアムブランドよりは手頃な価格なのに、洗練されたデザインと高級感を持ち合わせ、しかもサイズ感も大きすぎない。安全装備もすべて標準装備ということも考えると、このV60、売れない理由が見当たらないとも思えてくる。

●エンジンはすべて2Lの直4ターボ。スーパーチャージャーやPHEVのモーター付きもラインアップする
●ラゲッジルームの容量は、写真の通常時で529L。リヤシートを倒した最大時は1441Lものスペースを生み出す

さしあたっての問題はすぐの納車が難しいところか。今年1月からの日本での受注実績が、前年比150%の好調ぶりを見せているボルボ。今回のV60に限っては、初回導入のT5は大量に仕入れたと聞いているが、PHEV系も加わりさらにバックオーダーを抱える可能性もある。それは、ボルボも嬉しい悩みの種だというのだが……。

本誌の次号12月号では、V60の試乗記も掲載予定だ。こちらもぜひチェックしてほしい!

 


モデルラインアップ
■PHEV(2L直4ターボ+スーパーチャージャー+モーター)
T8 ツインエンジン AWD インスクリプション     819万円
T6 ツインエンジン AWD インスクリプション     749万円
T6 ツインエンジン AWD モーメンタム        未定

■ガソリン(2L直4ターボ)
T5 インスクリプション      599万円
T5 モーメンタム         499万円


■V60 T5 インスクリプション(FF・8速AT) 主要諸元 【寸法mm・重量kg】 全長×全幅×全高:4760×1850×1435 ホイールベース:2870 車両重量:1700 乗車定員:5人 【エンジン・性能】型式:B420 種類:直4DOHCターボ 総排気量:1968cc ボア×ストローク:82.0mm×93.2mm 圧縮比:10.8 最高出力:187kW(254ps)/5500rpm 最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1500~4800rpm 使用燃料・タンク容量:プレミアム・55L JC08モード燃費:12.9km/L 最小回転半径:5.7m 【諸装置】サスペンション:前ダブルウイッシュボーン/後マルチリンク ブレーキ:前後Vディスク タイヤ:前後235/45R18あ 【価格】599万円


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ボルボ・カー・ジャパン オフィシャルサイト