マツダの電動化はREが不可欠!?「マツダ 技術説明会2018」のテーマは電動化&コネクティビティ技術

マツダは2018年10月2日、都内で将来のクルマづくりについての技術説明会を開催。丸山 明社長兼CEOおよび、藤原清志代表取締役副社長執行役員 社長補佐、北米事業・研究開発・MDI統括が登壇し、その詳細を説明した。

電動化とコネクティビティの2つの技術戦略を公表。マツダならではの「人間中心」の開発哲学を基に、日常の運転シーンにおいてクルマと人との一体感が感じられ、ドライバーも同乗者も安心して乗っていられる「走る歓び」をさらに進化させる。それとともに、人間らしい心豊かな「生きる歓び」を実感できるカーライフの実現を目指すという。

これは、美しい地球と心豊かな人・社会の実現を使命と捉え、「地球」・「社会」・「人」それぞれの課題解決を目指した技術開発の長期ビジョン「サステイナブル”Zoom-Zoom”宣言2030」に基づくもの。

 

●丸本 明社長兼CEO(最高責任者)により、自動車業界の置かれている状況や、技術戦略についての概要が説明された

マツダだけでなく、世界の自動車メーカーが直面する現状として、中国では新エネルギー車(NEV)規制が2019年に始まるほか、イギリスやフランスなど欧州各国で2040年までに内燃機関のみの乗用車の販売を禁止するとの発表があった。さらにアメリカでは一部の州でZEV規制の導入や、さらに規制の見直しに向けた新たな動向があるという。

国内でも、経済産業省の自動車新時代戦略会議(中間整理)で、世界最高水準の環境性能の実現やクルマの使い方のイノベーション、世界のエネルギー供給のゼロエミッション化などが議論された。ここで、究極のゴールとして世界的な”Well-to-Wheel Zero Emission”チャレンジに貢献する、いわゆる燃料の採掘(井戸)からクルマが走行する(車輪)に至るゼロエミッション化の推進を日本の自動車産業の方向性として定めた。

 

これらを踏まえ、”マツダのありたい姿”として、心と体を元気にするクルマづくりを目指し、走る歓びを提供するのはもちろん、地球環境にも考慮。クルマのライフサイクル全体でのCO2削減に向け、WELL-TO-WHEEL視点でのCO2削減に取り組むとしている。

 

2030年には全車に電動化技術を搭載。核はロータリーエンジン

将来も大多数のクルマに内燃機関が搭載されると予測し、これらの技術を磨きながら、小型軽量な電動化技術を展開。CO2排出量の削減と、「走る歓び」の進化を追求していくという。しかし、前述の大気汚染抑制のためにクルマの関する規制を設ける地域などでは、電気自動車などを導入することを視野に開発を進める。

そのなかでマツダは、企業平均CO2排出量を2050年までに2010年比で90%の削減を目標に、2030年時点で生産するすべての車両に電動化技術を搭載するとした。この時点での電動化技術搭載車両の構成比は、電動化技術を搭載する内燃機関車が95%、電気自動車を5%と想定している。

 

●藤原清志代表取締役副社長執行役員 社長補佐、北米事業・研究開発・MDI統括が、電動化とコネクティビティ両技術について具体的な説明を行った

マツダが独自に開発する電気自動車は、電気駆動ならではの利点を生かし、人間の特性や感覚を第一に考えたマツダならではの「人間中心」のアプローチで開発。例えば、意のままの操作感覚と、同乗者も含めたドライビングプレジャーを提供するGベクタリングコントロールを電動車でも活用。内燃機関ではアクセルオンでのトルク制御で行っているものを、電気モーターではこれに加え、アクセルオフ時に回生でも行うことでさらに緻密な制御が可能になるという。

 

さらに電気自動車は、バッテリーのみで駆動するモデルに加え、マツダ独自の小型・軽量で静粛性に優れるロータリーエンジン(RE)を組み合わせ、バッテリーが一定レベルに減ると発電し航続距離を延ばす新開発のロータリーエンジンレンジエクステンダーを搭載したモデルを開発する。

 

ロータリーエンジンはさらに、ジェネレーターの高出力化と燃料タンクの容量を拡大し、バッテリー容量を小さくしたプラグインハイブリッド、これよりもさらにバッテリー容量を低減したシリーズハイブリッドにも展開可能。電動化システムの組み合わせで、1車種で地域特性に合わせてさまざまな電動化車両が作れるという。もしかしたら国内向けにも……、なんて期待が膨らむところ。

 

そんなマルチな電動化車両の開発でマツダが考えているのは、ロータリーエンジンならではの燃料の多様性だ。ロータリーエンジンレンジエクステンダー車は、ガソリンだけでなく、CNG(圧縮天然ガス)やLPG(液化石油ガス)、水素といった気体燃料との親和性も高いことから、走ることだけでなく、社会貢献にも役立つ可能性を持っているというのだ。

 

それは「災害時に人や社会に貢献するEV」という技術。災害時には被災地などに自走し、現地ではLPGを利用して発電。家電製品などに電力供給を行えるのだ。LPGなら一般家庭で使われているようにタンクによる移動が比較的容易なため、電力喪失によりガソリンスタンドなどで給油が行えなくても、電気供給源として活用できるわけだ。

ちなみに、ロータリーエンジンの出力を駆動に利用する従来のクルマ、RX-7やRX-8に続くスポーツカーについて、丸本社長は「もちろん、出せるのであれば当然やりたい。そういった時期が来ればお伝えする」と述べるにとどまった。

 

コネクティビティ技術で新たなクルマの価値を提供。人と社会を元気にする

コネクティビティ技術については、こちらも「人間中心」の開発哲学に基づき、以下のように進める。

 

コネクティビティ技術によって、人と人・社会をつなげることで、社会構造の変化にともなう、人と人とのつながりの希薄化などの社会的な課題解決へ貢献するとした。

これは例えば、デジタルツールなどにより情報を手軽に手に入れられるにようになった半面、人とのつながりが希薄化されていることに対し、その情報をきっかけとして、クルマで出かけるなどリアルな活動を支援するような仕組みを構築。コネクティビティを通じた人との出会いや、体験、感動の共有などにとって「生きる歓び」につなげていくような取り組みを行っていく。

また、過疎地などの交通インフラの整備などをコネクティビティ技術により支援。社会とつながることで生まれる「生きる歓び」が実感できるような新たなクルマの価値を提案し、人と社会を元気にすることを目指す。

 

これらモデルベース開発を関連する企業と連携し、製品開発に反映。品質やユーザーの満足度を向上させる。また、コネクティビティ分野ではトヨタとのアライアンスを最大限に活用。ベースの技術を共有しながらマツダらしい製品を作り上げていくという。

 


マツダ

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