冬シーズン到来!! 今さら聞けない、知って納得! スタッドレスタイヤの知恵袋

降雪地域の人はもちろん、非降雪地域の人も冬のレジャーには欠かせないスタッドレスタイヤ。よく知っているようで、じつは「???」な素朴な疑問を解決! 最新スタッドレスタイヤも合わせて紹介しよう!

 


Q1
スタッドレスタイヤってなぜ滑らない?


滑る原因の水膜を除去できるから!

氷のうえでタイヤが滑りやすくなる大きな原因は、圧力や摩擦熱で氷が溶けて氷とタイヤの間に水膜ができてしまうからだ。氷とタイヤが密着しないため、グリップ力が得られないというわけ。つまり、タイヤが氷の上でグリップ力を得るためには、この水膜を排除して氷にタイヤを密着させればいいわけだ。

よほど気温や氷温が低くないかぎり、氷とタイヤの間に水膜ができるのは避けられない。できてしまった水膜をいかに素早く取り除くかが肝となる。多くのスタッドレスタイヤは毛細管現象を使ってトレッド面の水膜を排除。そして、氷とトレッド面を密着させるために柔らかいコンパウンドを採用し、さらにトレッドのブロックにサイプ(切れ目)を入れてブロックの柔軟性を増すことで、氷盤との設置面を増やしてグリップ力を得ている。また、サイプが多くエッジを作ることで、氷盤を引っかくことでもグリップ力を発生させている。

●氷上の水膜を取り除くイメージ図(ブリヂストンのアクティブ発泡ゴム2の説明)。ゴム内の気泡によって、水膜を取り除くのだ。ブリヂストン・ブリザックVRX 02に採用されたアクティブ発泡ゴム2は、水路の表面に親水性コーティングが施され、水を積極的に除去できるようになっている

 


Q2
最近のスタッドレスタイヤってそんなにいいの?


ドライでの頼りなさがなくなってきている

スタッドレスタイヤが登場してから3年以上が経過するが、今でも性能は進化している。確かに登場初期のような日進月歩という劇的な進化ではなくなってきているが、それでも新製品は確実に従来モデルよりも性能が向上している。

多くの人が注目するアイス路面での制動性はもちろんであるが、滑り方など操縦性が向上している。ここ数年の性能進化で著しいのは騒音や乗り心地、ドライ性能や耐久性などだ。騒音については、今や多くのモデルがサマータイヤ並み。現行モデルの多くで感じるのはドライ性能の進化。初期のモデルは直進性や操縦性が頼りなかったが、冬季のドライ路面ではサマータイヤのスタンダードタイヤと遜色ないレベルのものもある。

 


Q3
まだスタッドレスタイヤを買うには早くない?


突然の降雪によるデメリットを回避せよ!

地域によって意識の差はあるだろうが、”スタッドレス”と言われてもピンとこないかもしれない。ただ、自宅に保管してあるスタッドレスタイヤを確認してみよう。溝がないのはもちろんダメ、経年劣化でひび割れしていたりするかも。

タイヤメーカーでは、夏場に新作スタッドレスタイヤを発売することが多い。これは、「早めのタイヤ交換」を促す理由もある。昨今、突然の大雪など、「今までそれほど降らなかったのに……」という地域でもタイヤ交換が必要になっている。何より雪が降ってからでは品薄となり、好きなブランドを選べなかったり、タイヤ交換に時間がかかったり、思わぬ事故につながるなど、何かとデメリットが多い。需要増になると、スタッドレスタイヤの価格が上がったりすることもあるのだ。

 


Q4
チェーンで代用しちゃダメなの?


チェーンだけだと面倒な場面が多い!

雪の降るシーズンは、タイヤチェーンはつねに携行していたほうがいい。ただし、チェーンはあくまでも応急処置。駆動輪だけにチェーンを巻いての走行は、安定性が著しく損なわれる。雪路や凍結路に何とか駆動力が伝えられ、移動が可能になるということに過ぎない。振動による快適性の低下や路面へのダメージも深刻だ。

サマータイヤでもチェーンを巻いていれば高速道路を走れるが、一般的な金属チェーンでの走行速度は30〜40km/hまでがせいぜいだ。高性能な非金属チェーンでも50km/h。もっとも、チェーン規制時の高速道路は50km/h規制なので、高性能チェーンでもスタッドレスタイヤでも走行速度自体は変わらない。しかしチェーンは用意するコストは安いが着脱が面倒だし切れる危険もある。高速道路に限らず一般道でも雪がなくなったからといって、即座に取り外す安全な場所があるわけでもない。安全、安心、快適、そして道路を傷めないということでもスタッドレスタイヤの装着がお薦めだ。

 


Q5
1年中スタッドレスタイヤを履いていても大丈夫?


ウエット路面に気をつけて!

1年を通してスタッドレスタイヤを履いていても、大きな問題はない。スタッドレスタイヤは夏場でもタイヤの基本性能は担保されている。ただし、そうはいってもドライ路面や夏場はサマータイヤほどの性能は期待できない。スタッドレスタイヤや雪路や氷路に特化しているからだ。最新のモデルはドライ性能が向上している。とはいえ雪や氷のない路面での性能はサマータイヤにはかなわない。グリップ力だけでなく操縦性も低い。

特に気をつけたいのはウエット路面だ。スタッドレスタイヤは氷とタイヤの水膜を素早く排除すると前段で述べたが、それはミクロ的な薄い水膜。ビシャビシャと水跳ねするような深い水深になると、サマータイヤほど排水性が高くないので注意が必要だ。総じて夏場はおとなしく走ろう。燃費については意外かもしれないが悪くない。走り方がおとなしくなることもあるが、スタッドレスタイヤはけっこう転がり抵抗が低いのだ。

 


Q6
駆動輪だけスタッドレスタイヤじゃダメ?


逆効果になる場合もある!

タイヤチェーンだと駆動輪だけに巻くので、スタッドレスも同じように駆動輪だけに履けばいいと考える人がいるようだ。しかし、これは薦められない。チェーンを駆動輪だけに履くのは、応急措置ということと、駆動輪以外にチェーンを装着すると抵抗になってかえってきちんと走れないケースがあるためだ。

都市部の非降雪地域のタクシーなどは駆動輪だけにスタッドレスタイヤを装着していることがあるが、あれはレアケース。万が一の降雪に備えて装着しているだけで、雪が本格的に降るとわかれば4輪にスタッドレスタイヤを装着している。駆動する2輪だけのスタッドレス装着がダメなのは、基本的にチェーンを駆動輪のみに巻くのと同じ。FR(後輪駆動)車であれば曲がれない、止まれないという危険が増し、FF(前輪駆動)車であればスピンする可能性が増大するかだ。

 


Q7
スタッドレスタイヤは何シーズン使える?

保管状態で異なるが、一般的には3〜5年。残り溝にも注意!

タイヤは走行距離、走行条件、保管場所によって耐久性が大きく変化する。これはサマータイヤもスタッドレスタイヤも同じこと。一般的にはサマータイヤはスリップラインが出るまでは、ほぼ安定した性能が得られる。

だが、スタッドレスタイヤは溝が十分に残っていても使えなくなることがある。経年劣化によってタイヤの柔軟性が損なわれたり、トレッドのエッジ部分が著しく損傷すると急激に性能が低下することがあるのだ。一般的には3〜5年ほどの寿命があると言われているが、場合によってはもっと短命なこともある。

また、上手に保管して使用してもスタッドレスタイヤとして認められなくことがある。それは摩耗によってプラットホームが現れたときだ。スタッドレスタイヤにはスリップサインよりも早くブロックどうしがつながる場所が設けられている。新品時の50%の残り溝がないとスタッドレスタイヤとして認められず、性能も低下している。

保管法はタイヤをきれいに洗浄し、内圧を半分ほどに減らし、日光の当たらない場所に1本ずつポリ袋などに入れて保管すればいい。

 

●上がトレッド内に配置されるプラットホーム。写真のタイヤでは残り溝があと約半分だとわかる。下がスリップサインの位置を示すマークだ

 


Q8
オールシーズンタイヤはスタッドレスタイヤと何が違うの?


高速道路の冬用タイヤ規制下で走行可能なオールシーズンタイヤは少ない

スタッドレスタイヤもオールシーズンタイヤもM+S(マッド&スノー)タイヤという種類であり、名前のとおり未舗装路や雪路にも対応した1年を通して使用できる性能を備えたタイヤだ。そのM+Sタイヤのなかで冬道の性能に特化したのがスタッドレスタイヤである。

一般的なオールシーズンタイヤは文字どおり四季を通じて平均的な性能を備え、ドライやウエット路面での性能はサマータイヤに限りなく近く、雪路では製品によってはスタッドレス以上の性能を持つものもある。ただし、氷路での性能はスタッドレスタイヤには及ばない。

オールシーズンタイヤは非降雪地域で万が一に備えるには心強いタイヤであるが、気をつけたいのは高速道路の冬用タイヤ規制下ではほとんどのタイプが冬タイヤとは認められないこと。乗用車用で冬用タイヤと認められているのは、グッドイヤーのベクター4シーズンズ ハイブリッドなどである。

 

●グッドイヤーのベクター4シーズンズは、あらゆる路面に対応するオールシーズンタイヤ。降雪による高速道路の冬用タイヤ規制下でも走行可能だ(全車チェーン規制下ではチェーン装着は必須)

 

 

(文=加藤順正 text by Yorimasa Kato)

 


 

 

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