「タイヤチェーン義務化」に 慌てるな! その意図を読み解く

突如降って湧いた感じもする一連の「タイヤチェーン義務化」の話。その規制区間が、公式発表されている。「やばいやばい!」と慌てずに、まずは規制の内容を読み解いてみよう。

 

●今回新設することになった「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の規制標識

今年度(2018〜19年)は全13区間を指定

国土交通省と警察庁は2018年12月10日、大雪時のクルマの立ち往生を防ぐため、全国の高速道路や国道において今冬からタイヤチェーンの装着を義務付ける対象に高速道路と国道の合計13区間を指定すると発表。これには、同年2月に多数のクルマが立ち往生した福井県の国道8号なども含まれている。内訳は、高速道路が7区間、国道が6区間。過去に立ち往生が発生した勾配の大きい峠道や、その近くにチェーンの脱着場が整備されている場所が中心だ。

 

■平成30年度 高速道路チェーン規制調整箇所
都道府県路線番号道路名区間延長(km)
新潟県/長野県E18上信越道信濃町IC〜新井PA25
山梨県E20中央道須玉IC〜長坂IC9
長野県E19中央道飯田山本IC〜園原IC10
石川県/福井県E8北陸道丸岡IC〜加賀IC18
福井県/滋賀県E8北陸道木之本IC〜今庄IC45
岡山県/鳥取県E73米子道湯原IC〜江府IC34
広島県/島根県E74浜田道大朝IC〜旭IC27

 

平成30年度 国道チェーン規制調整箇所
都道府県路線番号箇所名区間延長(km)
山形県112月山道路西川町志津〜鶴岡市上名川27
山梨県/静岡県138山中湖・須走山梨県山中湖村平野〜静岡県小山町須走字御登口9
新潟県7大須戸〜上大鳥村上市大須戸〜村上市上大鳥16
福井県8石川県境〜坂井市あらわ市熊坂〜あらわ市笹岡4
広島県/島根県54赤名峠広島県三次市布野町上布野〜島根県飯南町上赤名12
愛媛県56鳥坂峠西予市宇和町〜大洲市松尾7

 

チェーン規制は”異例の降雪時”に実施

このチェーン規制は、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるような異例の降雪時に実施。従来であれば通行止めとなる状況においてタイヤチェーン装着車のみ通行可となるもの、らしい。だが相手は自然。誤解してほしくないのは、指定区間では積雪が激しくなれば通行を止めて集中的に除雪を行い、その後段階的に通行止めを解除していく、という方針であることだ。そもそもそんな大雪のときは除雪も難航するし、「チェーン履いてるから通過してもいいんでしょ〜」と甘く見ると大変なことに。深雪にクルマの底面が乗り上げたら亀の子状態。タイヤが浮いたら、クルマは走れない。

また、大雪が予想される2〜3日前より通行止め実施の可能性があることを事前に公表、不要不急の外出を控えることや広域でのう回、運送業者の混乱回避に努めるという。なおこれら規制の具体的な開始時期は、後日改めて発表される。

スタッドレスタイヤが一般的になり、その性能も昔とは比べ物にならない。そのため、チェーンを履いたことがない人も多いはずだ。ただ、履きにくいとか乗り心地が悪いなどを置いておけば、チェーンを装着したほうが雪道は安心なのは確か。最新のチェーンならグリップ力は上だ。

だから、一連のチェーンに関する国交省の発表や報道によって混乱が起きた。「急いでチェーンを買わなきゃ!」なんて人も多数出た。

もちろん、冬場のチェーン携行は大事なことだ。これまでも高速道路では、冬用タイヤを履いていてもチェーンを装着していないと走行不可となる「全車チェーン規制」があった。実際にその現場に遭遇した人なら”スタッドレスタイヤを履いてるのにダメなの!?”と困惑した経験があるだろうが、「全車チェーン規制」自体を知らない人は意外と多いと思う。

 

まずは”安全を重視”したい

この冬、立ち往生を発生させるような大雪が降るかどうかはわからない。そもそも過去の立ち往生は、大雪を甘くみてしまったクルマのせい、とか、周辺にう回できる道がなくて、次々に後ろが渋滞して、とか。要因はいろいろ。ただ単に、チェーンを装着すれば解決する、なんてもんじゃない。法律や規制がどうのこうのではなく、安全を重視したほうが身のためである。今回の規制区間発表も、「こういった場所は立ち往生する危険が高いので注意しよう」と素直に捉えるべきだろう。

 

<文=編集部>