スープラ主査も気になる存在。マスタング・シェルビーGT500は700馬力以上!


ドイツ系ブランドが、VWを除いて軒並み出展を見合わせ、スーパーカー系の展示も皆無だった今年のデトロイトショーにあって、地元アメリカの来場者を釘付けにした数少ないハイライトのひとつは、フォードが出展したマスタング・シェルビーGT500。今回デトロイトで同時に発表されたトヨタ・スープラのチーフエンジニアである多田哲哉氏をして、「あれはちょっと気になるねぇ」と言わしめた1台である。

1967年のシェルビーGT500マスタングから50年以上の歴史を持つシェルビーGT500は、フォードのアイコン的存在であるマスタングのハイパフォーマンス・バージョン。アメリカでは「ポニーカー」と呼ばれる、“気軽に乗れるスポーティクーペ”であるマスタングを、故キャロル・シェルビーが確立したチューニング手法に沿って、フォード・パフォーマンスが徹底的にパフォーマンスを引き上げたモデルだ。2020年モデルとして登場する新型も、ストリートはもちろん、サーキットやドラッグコースにおいて、過去最高の速さを実現したという。

 

●エンジンのヘッドカバーには、手組みを行なった職人のサインが見える
●7速DCTは、エンジンの排気量のわりにはコンパクトに感じた

最も注目すべきは、やはりエンジンだ。シェルビーGT500は、2.65リッターの容量を持つイートン社製のルーツ式スーパーチャージャーを備えた、専用チューンの5.2リッターV8を搭載。7500回転まで回るこの大排気量V8の最高出力は、700馬力以上に達する。これほどの強心臓に組み合わされるトランスミッションは、TREMEC 7速デュアルクラッチ・トランスミッションで、100ミリ秒以下でスムーズな変速を実現。そのほかノーマル、スリッパリー、スポーツ、ドラッグ、トラックの各走行モードを搭載。ローンチコントロール機能も備わっている。

そのパフォーマンスは圧倒的で、0〜60マイル/h(約96km/h)加速は3秒台半ばと、メルセデスAMG GTのトップモデルであるGT Rと同等。0〜1/4マイル(約400m)加速は11秒未満と、日産GT-R(2018年モデルで11秒5)を上まわる。もちろん駆動方式はFR、なのにだ!

シャシーには、新設計の電動パワーステアリングを装備したほか、サスペンションジオメトリー最適化に加えて、軽量コイルスプリングや次世代アクティブ・マグネライド・サスペンションを採用。16.53インチの大径2ピース・ブレーキローター&6ピストンのブレンボ社製キャリパーもおごられている。

ルックスも迫力満点だ。上下2段のダブルフロントグリルは、冷却性能向上のためシェルビーGT350から開口面積が50%も拡大。ボンネットフードには31×28インチもの大きなルーバーが設けられ、排熱とフロントリフト低減が図られている。また前後フェンダーは大胆にワイド化され、フロントには20×11インチ、リアは20×11.5インチの大径ホイールを装着。新デザインのリアスポイラーと複合素材で成型されたリヤディフューザーは、ダウンフォースに加えて冷却面にも寄与するという。

●なんとホイールはカーボン製も用意!
●リヤウイングもカーボン製を設定。角度調整機構付きだ

さらに、カーボンファイバー・トラックパッケージを選択すると、専用開発のミシュラン・パイロット・スポーツ2を履いたカーボンファイバー製ホイールと、角度調整が可能なカーボンファイバー製GT4リヤウイング&スプリッターが装着され、軽量化のためリヤシートが省略された、サーキット走行により適した装備内容となる。

●シェルビーならではのコブラマークが内外装にあしらわれる

北米では2019年後半に 2020年モデルとして発売される見込みのマスタング・シェルビーGT500。価格は現時点では未発表だが、12万ドル(約1300万円)程度になると予想されている。もしそうだとしたら、間違いなくバーゲンプライスだ!

〈文と写真=竹花寿実〉