[ジュネーブショー]三菱エンゲルベルク ツアラーは3列シートのPHEV・SUV!

三菱は、現在開催中のジュネーブショーにて、三菱独自のPHEVシステムを搭載した新世代クロスオーバーSUVコンセプト「ENGELBERG TOURER(エンゲルベルク ツアラー)を世界初公開した。

また、電動車の新しい価値を実現する新たなサービス「電動DRIVE HOUSE(DDH)」のデモンストレーションも展示。これは、三菱自動車の販売店で電動車の購入とあわせ、V2H(Vehicle to Homeの略。EVやPHEVに蓄えた電気を家庭で使う仕組みのこと)機器を中心とした家庭用システムを提供するもので、2019年より日本をはじめ、欧州などでもサービス開始を予定している。

エンゲルベルクとは、スイスの“村”

車名に冠された「エンゲルベルク」とはスイス中央部にある山間部の村で、壮大なパノラマの景色を楽しめる有数のスキーリゾート。人の手が入っていない自然の地形で滑走するスキーのスタイル、フリーライディングを楽しむことができる場所として知られている。

そんな名所の名にふさわしく、どんな気象条件や路面状況でもドライバーが自信を走れる高い走行性能と、都市から離れ充電インフラが整っていない場所までも安心してドライブできるPHEVならではの長い航続距離を持ち合わせるのがエンゲルベルク ツアラー。パワートレーンは、三菱が誇るツインモーター4WDのPHEVである。また多人数乗車として3列シートを想定、多彩な収納も両立する優れたパッケージングも魅力だ。

●もちろんショーカー仕立てだが、2列目はラウンジ風の豪華な仕立て。それでいて3列目まで十分な居住性を確保していそうなパッケージングには期待できる

よりタフで、上質なクロスオーバーSUV

エンゲルベルク ツアラーは、リゾート地でのシーンにふさわしい、上質かつ機能的なオールラウンドクロスオーバーSUVとしてデザインされた。走破性の高さを表現した力強いボディデザインや、多人数が快適に過ごせるキャビンスペースと質感&機能性にこだわったインテリアが印象的。フォグランプを配置した自動開閉するルーフボックスや、前後バンパーのアンダーガードも装備。よりアクティブな雰囲気のSUVに仕上げている。ボディカラーは、雪景色の静寂ながらも張り詰めた緊張感のある空気感をイメージ。光の当たり方により青く輝く、上質さを表現したシルバーを採用。豊かなボディ断面を際立たせ、ドラスティックに表情が変化する外板色である。また、給電時や充電時にはフロントフェイスの「ダイナミックシールド」のメッキ部を柔らかく点灯させ、PHEVならではの特徴を表現する。

●ルーフボックスにはフォグランプを装備
●ルーフ部には、自動開閉を想定したボックスを装備。アクティブさ満点!
●クリーンなイメージのインテリア。三菱SUVに受け継ぐ、水平基調のインパネデザインだ

EV航続距離は、70km以上を達成!

搭載されるパワートレーンはツインモーター方式のPHEVシステムである。これは、現行型のアウトランダーPHEVにも採用されるものだが、アップデートを示唆。またコネクティッドカー技術も組み合わせ、いっそう頼もしさを増している。

そのPHEVシステムだが、大容量の駆動用バッテリーを車両中央のフロア下に搭載。高出力・高効率モーター前後に搭載するツインモーター方式としながらも、アウトランダーPHEVと違うのは3列シートパッケージを実現した点だ。エンジンは、2.4リッターのPHEV専用ガソリンエンジンを搭載するのはアウトランダーPHEVと同じだが、システム自体を高効率化させ、またラジエター部にはグリルシャッターによる空気抵抗の低減など、細やかな低燃費化技術を採用している。それらによる効果は、EV航続距離に現れている。アウトランダーPHEVは57.6km(WLTC)であったが、このエンゲルベルク ツアラーは70km以上(WLTP、WLTCモードに近い)を達成。総航続距離は700km以上(WLTP)とし、電動車ならではのなめらかで力強く静かな走りをこれまでより長く楽しめるとしている。
4WDシステムは、ツインモーター方式のフルタイム4WD。AYCに加えて、もちろんS-AWCも採用する。

注目のコネクティッドカー技術だが、ナビで目的地を設定するとルート上の天候、気温、地形、道路交通、路面状況の情報をもとにシステムがあらかじめ最適な走行モードを選択、駆動用バッテリーのエネルギーマネージメントや四輪統合制御により適した駆動配分を実施。安全・快適な走行に加えて、燃費向上にも寄与する三菱らしい発想だ。

「電動DRIVE HOUSE(DDH)」とは?

DDHは、電動車、V2H充放電機器、太陽光パネル、蓄電池などで構成。家庭での使用を想定したシステムをパッケージ化し、設置からアフターメンテナンスまでをワンストップ化したサービスを一括して販売するサービスだ。家庭での太陽光発電による電動車への充電や、電動車から家庭への電力供給を可能とし、電気代の節約や緊急時の非常用電源としての利便性など、さまざまなユーザーメリットを提供するものだ。このあたりは、先行して販売を行っている日産の「エナジーホーム」と似たサービスと言える。

●家庭と電動車をつなぎ、電力のやり取りを自由に行える。2019年内に日本でも発売予定とのこと

登場は、アウトランダーPHEVのフルモデルチェン時か?

ざっと主要なメカニズムを見ていくと、アウトランダーPHEVのアップデート版と捉えられる。進化版のPHEVシステムを、3列シートSUVとして実現したのがエンゲルベルク ツアラーだ。現行型のアウトランダーPHEVの発売は、2013年1月。2018年8月にPHEVシステムを大幅にアップデートしているが、そろそろプラットフォーム自体を新規開発してもいいころなのは確か。そのとき、「3列シート化」を実現するのでは……というのは編集部予想。加えて、日産とのアライアンスを生かして「エクストレイルとの共有化」も視野に入っているのではないかと想像できる。

〈文=編集部〉