日産「DAYZ(デイズ)」がフルモデルチェンジ。プロパイロットなど軽初搭載が満載

日産のハイト系軽自動車「DAYZ(デイズ)」が2019年3月28日にフルモデルチェンジ。全国の日産販売店で発売する。価格は127万3320円(FF)〜177万8760円(4WD)。

デイズは2013年に初代モデルが登場し、これまで約43万台を販売してきた。躍動感あふれるエクステリアや上質なインテリアに加えて、ハイビームアシストやアラウンドビューモニターといった先進技術を軽自動車で初採用。さらにタッチパネル式オートエアコンなど快適性や利便性を追求した機能を搭載し、多くのユーザーに支持されてきた。

しかし、6年間の販売期間のなかで、その売れ行きは順風満帆とは行かなかった。ご存じのとおり、デイズの設計・開発は日産と三菱の合弁会社であるNMKVが行っている。2016年には開発・製造元である三菱による届け出数値の改ざん、いわゆる燃費不正問題が発覚。一時期、販売中止に追い込まれ、燃費値を修正したのち販売を再開するなど停滞期を経験している。それにもかかわらず、ハイト系軽自動車のなかで10%前後のシェアを堅持していた。デイズは日産が販売する軽自動車として重要なポジションを担っているモデルなのだ。

こういった経緯も踏まえ、2代目となる新型デイズは日産が企画・開発を行うことになった。

そんな新型デイズの開発コンセプトは、お客さまに”ワクワク”をお届けする「全てを備えた 新生 日産軽」。動力性能の向上や室内空間の拡大、運転のしやすさの追求といった基本要件の追求と、日産の強みでもある「ニッサンインテリジェントモビリティ」を軽自動車にも展開するとともに、日産らしいデザインを取り入れて開発された。

 

動画解説は↓こちら↓

 

 

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●ハイウェイスターX プロパイロットエディション
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●X

デザインテーマはハイセンス&ハイクオリティ

新型デイズは、好評だった先代モデルのイメージを踏襲しつつ、さらに洗練させ、質感も大幅に向上させている。ボディタイプはこれまで同様に標準仕様とハイウェイスターの2本立てだ。

サイドビューはホイールベース拡大によって伸びやかになったの加え、しっかりとした厚みと量感が与えられ、信頼感のあるプロポーションとしている。オペラウインドー(Dピラーに埋め込まれた小窓)を廃止し、わかりやすい2ボックスシルエットとしている。また、フローティング形状のルーフによる、流れるような抜け感を持たせたキャビンと豊かな厚みのあるボディ、シャープなキャラクターライン、ふんばり感のある四隅に配したタイヤなどにより、しっかりとした骨格のなかに躍動感のあるシルエットを獲得した。

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●ハイウェイスターX プロパイロットエディション

フロントマスクは、ほかの日産車と共通のVモーショングリルを採用。また、ブーメラン形状のシグネチャーを標準車はヘッドライト部、ハイウェイスターはターンランプ部に配置し”日産らしさ”を表現する。標準車はヘッドライトとグリルを横基調でまとめている。ヘッドライトはハロゲンタイプで、クロームと黒ツヤのコンビネーションによるアイラインを強調したデザイン。全体を通して目鼻立ちのはっきりしたイメージの顔つきとしている。一方、ハイウェイスターはヘッドライトに先進感のある上下2段式7眼LEDヘッドライトを採用。また、フロントコンビランプに配したブーメランシグネチャーランプは、奥行き感を強調するエコーパターンとすることで、平面になりがちな軽自動車のフロントフェイスに立体感を与えている。

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●標準車はハロゲン式ヘッドライトを採用。ライトケースにブーメランシグネチャーをあしらう
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●ハイウェイスターは上下2段の7眼LEDヘッドライトで先進感を演出。バンパー部のコンビランプに奥行き感を強調するエコータイプのブーメランシグネチャーランプを装備

リヤまわりもコンビランプにブーメランシグネチャーを取り入れ、統一感のとれたデザインを作り上げた。

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●フロント同様ブーメランシグネチャーを取り入れたリヤコンビランプ

このほか、ボンネットフードをヘッドライトの上にかぶせるような造形とすることで分割線を見せない仕立てにしたり、サイドウインドーまわりのブラックアウト化などにより、スッキリとしたシンプルなデザインを表現。

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●ボンネットフードをライトの上にかぶせうように設計。分割線を極力なくした

 

 

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●ハイウェイスターX プロパイロットエディションのインパネ

インテリアは”快適性”と”こざっぱり感”がテーマ

インストルメントパネルは水平基調のデザインを採用。2段構成の上段はフローティング風でワイド感を演出。上面は余計な凹凸を廃しノイズのないスッキリとした視界にこだわった。細部に目を向けると、ブーメランランプシグネチャーと呼応したスピーカーグリルや、フロントグリル部の3Dパターンを取り入れたインパネパネルのデザインなど、遊び心のあるディテール表現を施している。

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●スピーカーグリルにもブーメランシグネチャーが入る
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●グリル部のパターンと同調する3Dパターンを採用したセンタートレイ

メーターはオーソドックスな2眼式ながら、透明パーツにより立体感を演出するメーターリングを採用した。また、フローティングタイプの薄くモダンなナビフィニッシャー(オプションの9インチナビを装着)などで、シンプルかつ質感の高いインパネまわりを演出している。

NISSAN DAYZ
●大画面9インチのカーナビを設定

シフトゲート横にあるエアコン操作パネルも進化。表示部とスイッチが一体化した静電パネルの採用で、好みの風量に直接設定可能となり、より直感的な操作が可能になった。

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●エアコン操作部は静電式のタッチパネルを踏襲。好みの風量位置を触れる直感的な操作で使いやすい

収納スペースは”見せる収納”と”隠せる収納”というアプローチでインパネまわりを中心に計7カ所装備。カップホルダーやスマホなどを置くセンタートレイなどすぐに手に取れるものは”見せる収納”として配置。”隠せる収納”は、助手席側グローブボックスの上にティッシュボックスなどを収納できるスライド式のボックスを設置、シフトゲート下には格納式センタースライドトレイ(カップホルダー付き)やロアボックスを設けている。また、ふだんあまり使用機会のない車検証の収納スペースとして、助手席ドア部に車検証収納ボックスを新たに採用。グローブボックスを有効利用できるアイディア装備だ。

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●見せる収納と隠せる収納をインパネまわりを中心に配置
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●ふだんは使用する機会の少ない車検証は助手席ドアに収納

インテリアカラーは、SおよびXグレードはグレージュを基調とした明るい内装色を採用。シート表皮はボリューム感のあるクロスにソファー調の柄をプリントし、明るくカジュアルなイメージを表現。一方、ハイウェイスターはブラックを基調にブルーを配したファッショナブルでスタイリッシュさを演出。シート表皮はモノグラム調エンボス加工を施している。このモノグラム調の柄にはHWS(=ハイウェイスター)の文字がさりげなくデザイン。ちょっとした遊び心が織り込まれている。

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●標準車は明るいグレージュ内装
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●ハイウェイスターの内装はブラックとブルーのコンビ
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●ハイウェイスターのシートには、モノグラム柄の中に「HWS」の文字が隠れている

また、オプションでブラックとブラウンのコンビネーションにミント系のアクセントを加えたプレミアムコンビネーションインテリアを設定している。こちらはクロスと合皮のコンビシートとなり、インパネ上段のフローティング風パネル部にはPVCラッピングにアクセントステッチが施される。

 

力強さと環境性能をアップした新開発パワートレーン

新型デイズはパワートレーンやプラットフォームを刷新するとともに、新たな電子システムを採用しているのがトピック。

そもそも日産での軽自動車の開発は初となる。パワートレーンやプラットフォームの開発には、これまで培ってきた登録車の技術を転用することで、軽自動車により以上の価値を与えている。

NISSAN DAYZ
●BR06型エンジンを新規に開発。これに新開発CVTをドッキング。さらにマイルドハイブリッドを搭載し走行性能と環境性能を高めた(写真はハイウェイスターX プロパイロットエディション)

まずは、パワートレーンから見ていこう。新たに開発したエンジンは、海外で販売されるコンパクトカー「ダットサン REDI-GO(レディゴー)」に搭載する799ccエンジン「BR08型」をベースに開発。これはもともとルノーが設計したもので、軽自動車用として日産が新たに設計しなおしたもの。型式は「BR06型」だ。自然吸気とターボ付きの2種類をラインアップする。新開発エンジンは従来に比べトルクを最大15%アップ。これに新開発のCVTをドッキング。新しい変速制御を採用することで発進時から力強さを感じられるようになった。さらにステップ変速制御「Dステップ変速」を採用し、アクセルペダルを深く踏み込んだ際にギヤが変速しているような爽快な加速を演出する。従来は副変速機付きであったが、これを廃止している。

DAYZ CVT
●新開発CVT
DAYZ CVT 変速イメージ
●「Dステップ変速」制御を取り入れることで、爽快な加速感が得られる

 

また、デイズ ハイウェイスターには新たにリチウムイオンバッテリーを採用したマイルドハイブリッドシステムを搭載。基本的にはミドルクラスミニバンのセレナと同様の「スマートシンプルハイブリッド」となっているが、軽自動車の限られたスペースに搭載するため、モーターを小型化。リチウムイオンバッテリーと組み合わせることで出力は2.0kWとセレナ(1.9kW)と同等としている。また、回生量はセレナの約2倍となり、エンジンアシストの時間と量もアップ。ブレーキング時に失われていたエネルギーを無駄なく再利用しているのだ。

 

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新プラットフォームで、より広く、快適な室内と運転操作性を実現

パッケージで特筆するのは、新開発のプラットフォームにより、グッと広くなった室内空間だ。これを実現したのは従来比で+65mm延長されたホイールベースにある。延長分はおもに後席エリアに充てられた。後席は175mmスライドするシートを最後端にセットするとニールームは710mmとなり、大人が足を組んでも余裕のある足元空間を獲得。これは大型セダンの「フーガ」並みの広さだ。また、後席フロアのフラット化による左右の移動のしやすさや、ドア開口部も75mm拡大し、乗降性も向上している。

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●後席を一番後ろにセットした状態。広々とした足元空間が広がる

荷室エリアは、後席を最後端にセットした場合でも奥行きが従来比で135mm延長。荷室長は385mmとフル乗車時でもたっぷりと荷物が積めるようになった。また、荷室のアンダーボックスも2WDで54リットル(VDA方式)と大容量化され(従来は2リットル)、これを活用すればA型ベビーカーなど高さのあるものも余裕で積み込める。

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●後席を一番後ろにセットしても385mmの荷室長を確保
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●荷室アンダーボックスもFFモデルは54リットルと先代に比べて大容量化

 

前席においては、1265mmのショルダールームを確保。大人が2人並んで座ってもゆとりのある乗車空間を創出。また、運転席の足元空間を拡大し、シートを前側に移動して運転する女性でも余裕のある広さとしている。シートには上級セダンのティアナやスカイラインが採用するゼログラビティシート(スパイナルサポート機能付き)を初採用。中折れ形状の背もたれパッドにより上体をより広い範囲で支持し、長時間着座時の疲労を軽減する。また、ソファのようなゆったりとした座り心地を実現するため、クッション材に柔らかな素材を採用した。

このほか、ショックアブソーバーのサイズアップや高応答バルブの採用、エンジンマウントの液体封入式ゴムマウントなどにより、走行時の不快な振動を抑制。遮音・吸音材の最適配置による静粛性向上などで、ドライブ中の快適性が高まった。

 

運転のしやすさを高める工夫も随所に

新型デイズは、ステアリングのギヤ比を小さくすることで駐車時や狭い道での取りまわし性を向上。さらにインパネ髙さを抑え、見切りをよくすることで車両感覚をつかみやすくしている。このほか、ペダル形状を変更。つま先ではなく、足裏全体で踏み込める角度にしたり、シフトノブの位置や角度変更により操作をしやすくするなど、女性が運転しやすくなるような工夫も取り入れた。

NISSAN DAYZ
●ペダルの角度を寝かせることで足裏全体で踏めるようになった

 

安全性能に抜かりなし

ホイールベースを延長し、キャビンスペースを拡大したことで、エンジンルームはさらにコンパクト化された。そこで気になるのは、”前面衝突時の潰れ代が減るから衝突性能も低下するのでは?”という懸念だ。ここには登録車の技術を投入することで解決している。パワートレーンを支えるアンダーフレームに追加メンバーを設置。衝突時に追加メンバーがアンダーフレームを押し下げることでパワートレーンの干渉を回避して、効果的に衝撃を吸収する構造となっている。さらにカーテン&サイドエアバッグを全車に標準装備するなど乗員保護性能も抜かりない。

 

NISSAN DAYZ
●日産軽初のプロパイロットを設定

 

プロパイロットを軽初搭載

登録車と同じ電子システムを使うことで、先進の運転支援技術の採用が可能となった。これにより、高速道路で車線中央をキープしながら、カーブでのステアリング支援も行う全車速追従クルーズコントロール「プロパイロット」が軽自動車で初めて設定されたのだ。このほか、電動パーキングブレーキやオートブレーキホールドなどドライブ中の疲労軽減に寄与する機能も設定する。

また、前方の車両と人を検知して衝突回避および被害軽減をサポートするインテリジェントエマージェンシーブレーキを全車に標準装備。走行車線からの逸脱警報および逸脱防止支援システムや踏み間違い衝突アシスト(低速加速抑制機能〈前進時/後退時〉、低速衝突軽減ブレーキ機能〈前進時/後退時〉)、ハイビームアシストも全車に標準搭載する。日産軽初設定のインテリジェントアラウンドビューモニター(移動物検知機能付き)はオプションで装着可能だ。

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●アラウンドビューモニター(移動物検知機能付き)をメーカーオプション設定

安全面では、軽自動車で初となる先進事故自動通報システム「SOSコール」(ヘルプネット)の設定(メーカーオプション)も見逃せない。これは交通事故や急病などの緊急時に、位置情報、センサー情報とともに、専門オペレーターに自動でつながるシステム。専門オペレーターは消防指令センターや警察に迅速に連絡して、緊急車両の手配をサポートする。

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●衝突事故や急病などの緊急時に、位置情報、センサー情報とともに専門オペレーターに自動でつながる「SOSコール」を軽自動車で初採用。ルーフのスイッチを押すことでも専門オペレーターにつながる
NISSAN DAYZ
●「SOSコール」のおもな流れ

 


[バリエーション&価格]

〈660ccターボ+モーター・CVT〉

ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション:FF…164万7000円/4WD…177万8760円
ハイウェイスターGターボ:FF…154万9800円/4WD…168万1560円

〈660cc+モーター・CVT〉

ハイウェイスターX プロパイロットエディション:FF…156万7080円/4WD…169万8840円
ハイウェイスターX:FF…146万9880円/4WD…160万1640円

〈660cc・CVT〉

X:FF…132万5160円/4WD…145万6920円
S:FF…127万3320円/4WD…140万5080円

 


■ハイウェイスターGターボ プロパイロットエディション(FF・CVT)主要諸元 [ ]内はハイウェイスターX(4WD・CVT)【寸法㎜・重量㎏】 全長×全幅×全高:3395×1475×1640[1660] ホイールベース:2495 車両重量:880[900] 乗車定員:4人 【エンジン・性能】型式:BR06 種類:直3DOHCターボ[直3DOHC] 総排気量:659cc ボア×ストローク:62.7mm×71.2mm 最高出力:47kW(64ps)/5600rpm[38kW(52ps)/6400rpm] 最大トルク:100Nm(10.2kgm)/2400〜4000rpm[60Nm(6.1kgm)/3600rpm] 【モーター・性能】型式:SM21 種類:交流同期電動機 最高出力:2.0kW/1200rpm 最大トルク:40Nm/100rpm 動力用主電池種類:リチウムイオン電池 WLTCモード燃費:19.2km/L[18.8km/L]  最小回転半径:4.8m [4.5m] 【諸装置】サスペンション:前ストラット/後トーションビーム[3リンク] ブレーキ:前Vディスク/後L&Tドラム タイヤ:前後165/55R15[155/65R14]

 

 

<文=編集部 写真=澤田和久>

*製品仕様・価格(税込み)などは掲載時のもの


日産

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