なぜ変えた? マツダ教習車がアクセラからデミオになった理由

マツダは2019年4月24日、新型の「マツダ教習車」を発表。全国のマツダ販売店を通じて同日より予約受注を開始し、同年5月27日に発売する。ベースは、海外専売となっているマツダ2(デミオ)セダンだ。エンジンは1.5リットルガソリン(SKYACTIV-G 1.5)のみで、ラインアップは2種類。6速MTが187万5960円、6速ATが194万2920円である。2019年2月26日にスクープした情報が、現実のものとなった。

マツダの教習車といえば、歴代「アクセラ セダン」がベースだった。特に昨今の増殖ぶりには目を見張るものがあり、2014年6月には累計生産台数が1万台に到達。2004年5月の初代教習車(初代アクセラがベース)を生産開始以来、約10年での達成だった。ちなみにそのシェアは、一番多いときで40%を超えるという人気ぶり。2018年のシェアは約22%と、「アクセラの教習車って多いなぁ」という実感とリンクする数字を叩きだしていた。営業努力はもちろんのこと、運転のしやすさなど基本性能の高さが教習所側に認められた結果であった。

しかし、今回は一転してベース車を変更。しかも、日本では発売されていないデミオのセダンモデルが教習車に抜擢された。マツダのタイ工場で生産されている、右ハンドルの「マツダ2 セダン」がベース車。すなわち、メイド・イン・タイランド、ということになる。

ここまで浸透した“アクセラ教習車”を変更した最大の理由は、「5ナンバー枠のコンパクトボディによって、初めて運転する人でも車両サイズや周囲の把握がしやすい」ということ。現行のアクセラは3ナンバーだから、確かにデミオのほうが運転しやすいことに違いはない。また、最小回転半径は5.3mから4.7mとなり、取りまわしのしやすさも格段にアップする。一方でボディは小さくなっても、人間中心に開発され、最適なドライビングポジションが取れるなど理想を追求しているのはデミオでも同じだ。

だが、アクセラベースの教習車があまりにも認知度が高く、「なぜこのタイミングでデミオに?」という疑問はどうしても残る。間もなく登場するであろう、アクセラ改め「新型マツダ3」のセダンベースでもよかったのでは……。なぜ、デミオのセダンモデルがベースとなったのだろうか。

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その点に関してマツダは、「マツダ教習車としての理想をゼロから考えました。よりコンパクトなボディのほうが、初めて運転される教習生の方々が運転操作に早く慣れていただけると考えた結果です。また、教習車に求められるさまざまな規格のなかで、“全長4.4m以上”をクリアしつつコンパクトなクルマは、弊社ラインアップのなかではタイで生産しておりますマツダ2 セダン。ハッチバックですと、全長は4.4mに満たないため、今回はセダンをベースに開発したモデルを輸入するというかたちで新型の教習車を設定いたしました」

ちなみにマツダのタイ工場は20年ほど稼働しており、生み出されるクルマの品質は日本のマツダ工場と同じ。マツダは自信を持って“輸入”に切り替えたのだ。

新型のマツダ教習車は、教習車に必要な装備に加えてシートや足まわりのレイアウトを見直すことにより、長時間の講習でも疲れにくい指導員席を目指して開発されているという。せっかく教習車としてデミオのセダンモデルが日本を走るなら、ぜひ一般向けとしてもラインアップしてほしい……。5ナンバーセダンは絶滅の危機にあるが、需要がないわけではないと思うのだが!

●交換が簡単なリヤバンパープロテクターや、クラッチディスクの耐摩耗性を向上させた大径クラッチディスクなども採用

https://www.mazda.co.jp

〈文=編集部〉