ホンダならではの「マリナイズ」で造った新型船外機「BFシリーズ」が青山に出現!

●東京 南青山に突如クルーザー。世界最大のセイルボート・パワーボートビルダーとして知られるBENETEAU(ベネトウ)社のパワーボート「アンタレス8」にBF250を搭載

ホンダは2019年6月6日、大型4ストローク船外機の「BF250」と「BF225」、「BF200」に新開発の電子制御リモートコントロールシステム(DBW=ドライブ・バイ・ワイヤ)を搭載するとともに、新型「BF175」を発表。6月10日からHonda船外機取扱店で発売した。

現在、6月14日(金)から18日(火)まで東京 港区南青山の「Hondaウエルカムプラザ青山」1階ショールーム・エントランス前に、新型BF250タイプを搭載したクルーザー(全長8m)を展示している。

https://www.honda.co.jp/marine/?from=navi_header

ボートやクルーザーなどに縁のない人には「船外機」と言われても、すぐにはピンとこないかも? そう、船体の後ろに付くエンジンのことだ。ちなみにBF250のBは「ボートエンジン」、Fは「フォアストローク」の略で、続く数字は馬力(ps)を表す。

エンジンはいずれも3.5リットル(3583cc)のV6 OHCで、BF250DとBF225DにはVTECを搭載。四輪用をベースに縦置き配置し(上下方向に)、ギヤで直角方向に動力の方向を変えてプロペラを回す。ちなみにホンダでは、四輪用をベースに船外機用へエンジンを変えることを「マリナイズ」と呼んでいる。

●250のVTECといっても、バイクでもクルマでもない

四輪用から船外機用への転換で一番異なるのが、エンジンの冷却方法だ。四輪用がラジエターで冷やした冷却水をウォーターポンプで循環させるのに対し、船外機の冷却水は淡水、もしくは海水。これを直接ウォータージャケットへ循環させる。なので、サビ対策が「マリナイズ」最大のキモとなる。

現在ホンダが手がける事業は、「二輪」、「四輪」、「パワープロダクツ」、そして「航空機および航空機エンジン」の大きく4つに分類される。そのうち、船外機は耕うん機や発電機などと同じパワープロダクツに属する。

「働く人々の重労働を軽減し、暮らしを豊かにする『道具』を世の中に提供したい」。そう願ってホンダを創業した本田宗一郎。船外機は、二輪、汎用エンジン、耕うん機に続く第4のカテゴリーへの参入。市販四輪よりも早かった。

その初のモデルは、先の東京オリンピックが開催された1964(昭和39)年に発売された「GB30」。当時、船外機は構造がシンプルで軽く、パワーも出る2ストロークエンジンが主流だった。そこへGB30は、あえて4ストロークを採用。それは環境への配慮から。

2ストロークエンジンは高効率な一方、ガソリンに潤滑油を混ぜて燃焼させるため、水中に放出する排出ガスにオイルが混入してしまう。これが海や川を汚す原因となる。本田宗一郎はこれを嫌い、GB30の開発に着手。その信念は、「水上を走るもの、水を汚すべからず」だ。

●小さくとも偉大なる第一歩(ひと泳ぎ?)「ホンダ船外機GB30」

以後、水質汚濁が世界的な問題となるにつれホンダ船外機の評価が高まり、以後、4ストロークエンジンが船外機の主流となった。GB30で掲げた「環境性能」という概念。これがのちの四輪車、そしてCVCCエンジンでマスキー法をクリアする挑戦の先駆けともいえるだろう。

最新のBFシリーズは、DBWの搭載により操作性が向上。新設した電子リモコンにより、スムーズで確実なスロットルとシフト操作をサポート。新型のBF175は、BF250と同じく3.6リットル V6エンジンを採用。排気量の拡大と大型ギヤケースの適用、ギヤ比の変更などにより大径プロペラの装着が可能になった。

カラーリングは、従来の「アクアマリンシルバーメタリック」に加え、一部タイプに初代NSXやS2000にも設定された「グランプリホワイト」も選択可能に。価格は、211万2480(BF175D XDJ)〜243万8640円(BF250D XCDJ・BF250D UDJ)。いずれもインジェクション(PGM-FI)で、使用燃料は自動車用無鉛ガソリン。

ちなみに船外機は、パワープロダクツ事業のなかの「HONDA MARINE(ホンダ マリン)」部門が担当。フィギュアスケート選手の本田真凜ちゃんとは無関係だ(と思う)。

●記者発表会に登壇した本田技研工業 執行役員 ライフクリエーション事業本部長の奥田克久氏(左)と同・マリン事業部部長の佐藤公亮氏(右)

〈文=編集部〉