最新安全技術試乗会で衝撃体験!! 日野自動車、大型観光バス「セレガ」に商用車で世界初の「自動検知式ドライバー異常時対応システム」を搭載

日野自動車は2019年6月14日、大型観光バス「日野セレガ」を改良を実施、2019年7月1日に発売する。

●日野セレガ

今回改良を実施した「日野セレガ」には、商用車として世界初となる自動検知式「ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)」をはじめとする先進安全装備を搭載している。

同日、これに合わせてメディア向けに「最新安全技術試乗会」を実施。日野が2019年に発売する大型大型バスをはじめ、大・中・小型トラックに搭載される先進安全技術のデモンストレーションを実施した。

近年、商用車でも増加傾向にあるドライバーの健康状態の急変による事故などの対策として、「自動検知式EDSS」や「ドライバーモニターⅡ」など、計6種類の安全装備を2019年に発売モデルに適宜搭載するとした。これは、日野が掲げるビジョン「Challenge2025」において、社会とユーザーの課題解決に向けた「安全・環境技術を追求した最適商品」の提供のうち、「交通事故死傷者ゼロ」の実現に向けた取り組みの一環だ。

 

●自動検知式「ドライバー異常時対応システム」のデモ走行を車内から。ドライバーに異常が発生し姿勢が崩れている状況を再現(上部モニターを参照)

ドライバーの異常を検知し、自動で車両を停止させる
「自動検知式ドライバー異常時対応システム」

「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」は、2018年7月に非常ブレーキスイッチ式として商用車では世界で初めて実用化し、搭載されている。今回はこれに最新のAI技術による「ドライバーモニターⅡ」や「車線逸脱警報」によってドライバーの状態と車両の挙動を自動で検知して、危険な状態にあると判断した場合に、自動ブレーキをかけて車両を減速・停止させる、自動検知式へとアップグレードさせたものだ。

これを可能としたのは、居眠りやよそ見運転などを検知して警告する「ドライバーモニター」の進化版、「ドライバーモニターⅡ」の搭載である。「ドライバーモニターⅡ」は、顔の特徴点を検出する「ドライバーモニター」に対して、画像解析にさらに多くの特徴点を使用。顔の向きと目の状態をより高精度に検出。さらに顔の向きや状態などを表情認識モデル(辞書)に照らし合わせて認識結果を評価する機械学習(CNN:Convmlutional Neural Network)を組み合わせることで顔の検出性能を向上させている。また、顔を認識しやすいようにカメラの搭載位置を変更した。これらにより、ドライバーの顔の向き、目の開閉状態に加えて、運転姿勢の崩れなども検知可能となった。さらに、サングラスやマスク装着時の検知性能も向上。

●セレガに標準装備する「ドライバーモニターⅡ」。インパネ上部の左側に搭載。顔を認識しやすくした
●ドライバーモニターⅡ
●ドライバーを認識するとインフォメーションディスプレイに「顔認識OK」と表示される

 

 

●自動検知式「ドライバー異常時対応システム」のデモンストレーション。システム作動時はクラクションを鳴らし、ブレーキランプとハザードランプを点滅して周囲に異常を知らせる
●「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」作動イメージ。今回新たに開発された自動検知式をセレガに搭載

実際に自動検知式「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」のデモンストレーションを行う車両に乗車して体験した。ドライバーの健康状態が急変して意識がなくり、姿勢が崩れた状態作り出すと「ドライバーモニターⅡ」が検知。ステアリングの操作が行えない状態で車両が蛇行し始める。そして車線を逸脱するのを「車両逸脱警報」機能が検知すると、これらをEDSSが”ドライバーに異常あり”と判断して、自動でブレーキをかけ、クラクションとストップランプ&ハザードランプの点滅で周囲に注意を促しながら車両を減速・停止させた。車内では非常ブザーが鳴り、赤色フラッシャーの点滅により乗客に異常を知らせる。

●赤色フラッシャー(右上)が点滅し乗客に緊急ブレーキの作動を知らせる
●客席上部には「非常ブレーキスイッチ」が備わり、ドライバーが運転操作を継続できない場合に、乗客がこれを押すことで自動ブレーキが作動し、車両が停止する
●運転席の非常ブレーキスイッチ

 

自動検知式「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」には、システム作動時に、ユーザー向けのICTサービス「HINO CONNECT」を通じて、ユーザーが設定した登録メールアドレスに対象車両・作動時刻・位置情報を送信。万が一の際に運営会社などが迅速に対応できるようサポートする。

自動検知式「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」は、2019年モデルの大型観光バス「セレガ」に標準装備、「ドライバーモニターⅡ」は大型観光バス「セレガ」、大型トラック「プロフィア」、中型トラック「レンジャー」に標準装備される。

 

●「サイトアラウンドモニターシステム」のデモンストレーション。直交する車線の右側から車両が近づく

一般道の出会い頭事故低減に貢献する
「サイトアラウンドモニターシステム」

続いて行われたのは、「サイトアラウンドモニターシステム」のデモンストレーション。これは前側方からの移動物を車両のバンパー両サイドに搭載したミリ波レーダーが検知し、警報音とともにメーター内に警告表示することでドライバーに注意を促すというもの。2019年4月1日に発売した大型トラック「プロフィア」に標準装備した。

例えば、見通しが悪い交差点などで右左折しようとするとき、側方からやってくる車両を事前に検知。警報を発することでドライバーがブレーキなどで車両を停止させ、出会い頭の事故を回避するのに役立つ。実際に側方から車両が通過する場面を想定したデモンストレーションでは、かなり前から車両を検知し、警報を発した。

●フロントバンパーサイド部に搭載するミリ波レーダーが前側方の移動物を検知すると、警報音とメーター内警告表示でドライバーに警告する
●フロントバンパーサイド部に搭載するミリ波レーダー

検知対象は自動車と自転車で、移動状態のみで検知する。

 

 

 

●デュトロに搭載する前進誤発進抑制機能」、「低速衝突被害軽減機能」、「クリアランスソナー」のデモンストレーション

小型トラックの2019年モデルに搭載する安全装備
「前進誤発進抑制機能」、「低速衝突被害軽減機能」、「クリアランスソナー」

2019年モデルの小型トラック「デュトロ」には、車両前部に4つ(グリル部に2箇所、バンパー部に2箇所)のソナーセンサーを搭載。これにより駐車場などでのペダルの踏み間違いによる、壁などへの衝突を回避もしくは被害を軽減できる。このソナーはブラック塀などの障害物だけでなく、透明なガラスも検知可能だ。

●ソナーセンサーは、フロントのグリル部に2箇所、バンパー両サイドに1箇所ずつ、計4箇所に搭載。このうち2箇所のソナーセンサーの検知によりシステムが作動する

「前進誤発進抑制機能」

例えば車止めのないコンビニ駐車場などでのペダル踏み間違いによる衝突回避などに有用。前向き駐車からバックで発進しようとしたが、セレクトレバーが「D」レンジで、後方を確認しながらアクセルペダルを踏み込むと……。そんな場面だ。アクセルを踏み込むと車両が前進を始めるが、ソナーセンサーが車両前方の障害物を検知し衝突の可能性があると、警報音とともにマルチインフォメーションディスプレイに接近警報を表示する。衝突の可能性が大きいと判断するとエンジントルクをカットしブレーキを作動。衝突を回避する。「前進誤発進抑制機能」は、車速が0km/h(停止時)からの発進時に作動する

「低速衝突被害軽減機能」

10km/h以下の低速走行時に衝突回避を支援する。これは前進して低速走行中に、障害物との距離が接近した場合に作動。10km/h以下で壁など障害物に接近し、ソナーセンサーが検知し、衝突に危険があると判断すると接近警報(マルチインフォメーションディスプレイ表示と警報音)を発する。それでも前進し、衝突の可能性が高い場合にエンジントルクをカットしてブレーキを作動させ、衝突回避を支援する。プリクラッシュセーフティシステム(PCS)に似ているが、PCSはクルマや人が検知対象であり、低速衝突被害軽減機能は壁などの障害物を対象とした機能。センサーもソナーセンサーで、PCS(カメラやレーダー)とは異なるため、対象が異なる。

「クリアランスソナー」

狭い場所に駐車するシーンなどでの接触事故回避を支援する。前方および前方左右の障害物との距離を警告音とディスプレイ表示で注意を促すものだ。障害物との距離に応じて警報音と表示を4段階で行う。距離が近づくにつれ、警報音は断続音から最接近時の連続音に変化する。

●障害物との距離をインフォメーションディスプレイ内に表示

「最新安全技術試乗会」でデモンストレーションを行った2019年モデルに搭載される安全装置をはじめ、日野は開発した技術を速やかに市場に投入。新型車には積極的に標準装備化していくという。

 

 

●2019年6月17日にバスシリーズの改良を実施。「ブルーリボン」と「レインボー」に非常ブレーキスイッチ式「ドライバー異常時対応システム」を搭載した

路線バス「ブルーリボン」と「レインボー」にもEDSSを搭載

2019年6月17日には、大型路線バス「ブルーリボン」と中型路線バス「レインボー」の改良を機に非常ブレーキスイッチ式の「ドライバー異常時対応システム」を標準装備化した(一部車型除く)。ドライバーが運転操作の継続が困難となった場合、ドライバー自身や添乗員が運転席の非常ブレーキスイッチを押すか、乗客が客席にある「非常ブレーキスイッチ」を押すことで、自動ブレーキが作動し、速度を徐々に落として停止する。車内では音声アナウンスとともに赤色フラッシャーが点滅して緊急停止することを乗客に知らせる。車両周囲にはホーンを鳴らし、ストップランプとハザードランプを点滅させて異常を知らせる。

●非常ブレーキスイッチ式「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」の作動イメージ
●非常ブレーキスイッチの位置と、赤色フラッシャーの作動イメージ。ドライバーの様子を確認しやすくするため仕切り板をクリアタイプとした

 

 


日野自動車

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