クルマみたいな骨格!? 軽量・高剛性な新開発のプレス成型フレーム「eSAF」を採用した二輪車「Genio」をインドネシアで発売

ホンダは2019年6月21日、インドネシアの二輪車生産・販売現地法人であるピー・ティ・アストラ・ホンダ・モーターが、新型フレーム「eSAF」を搭載した「Genio(ジェニオ)」を発表した。

今回、コミューターのフレームを共通化することで、大量生産にも適応できるプレス成型やレーザー溶接の専用設備を導入。生産効率や加工精度を向上させ、安定した品質の新型フレーム「eSAF」を開発した。これをインドネシアの、流行に敏感な若者に向けたファッショナブルなスクーター「ジェニオ」に採用したのだ。

ちなみに「eSAF」はenhanced(強化された、価値を高める)、Smart(洗練された、精密で好感度な)、Architecture(構造、構成)、Flame(車体、フレーム)の略で、さまざまなモデルのプラットフォームとして共通化を前提に最適設計。ハイテンのプレス材やレーザー溶接などの最新技術を採用し、軽量・高剛性化を実現したコミューター用フレームの総称とのこと。

新型フレーム「eSAF」は、ハイテン材の使用や、断面形状の最適化などにより、剛性を高めながら従来の同クラスに採用されてきたフレームに対して8%以上の軽量化を実現。「ジェニオ」の軽快な走りと優れた乗り心地に寄与しているという。この「eSAF」は、アジアで展開するほかのモデルにも水平展開される予定だ。

●新型フレーム「eSAF」

この「eSAF」の滑らかな弧を描く美しい形状を見てほしい。一見するとクルマのモノコックフレームの部分にも見えるが、二輪車ではあまり見ない構造でもある。コミューターというかスクーターであれば、円形パイプを曲げ加工したものを溶接で組み合わせるのが一般的。とはいえ、プレス成型のフレームは昔から存在していたわけで、それ自体は目新しいものではない。ホンダ車で見た目に印象的なのはダックス50が思い浮かんだ。ステアリングステム部からリヤまわりまでが一体で、左右分割でプレス成型されたパーツを貼り合わせた、ざっくりいうと2枚の鋼材でフレームが形成されていたモデルだ。

●あえて外装パネルを排除し、パイプフレームむき出し状態のネイキッドスタイルとした「ズーマー」
●ホンダ ダックス。写真は1995年に復刻生産されたモデル

 

プレス成型とレーザー溶接で作り上げるこの「eSAF」は、生産効率や加工精度の向上も図れ、大量生産が可能なことが利点としてあげられている。それにハイテン材とか断面形状の最適化で剛性を高めて軽量化を図るなど、どちらかというとクルマづくりに近い思想であるともいえる。

●鋼板をプレス成型して組み上げ、モノコックボディとするのが今どきのクルマ。強度が必要な場所にはハイテン鋼が用いられる。写真はS660。ボディ骨格の多くを「直線+滑らかな曲線」し高剛性を追求した”一線入魂ボディ”を採用

さらにこの「eSAF」は他車種にも展開できる汎用性の高いフレームというから、それこそトヨタのTNGAやスバルのSGPなど、最近のクルマの設計思想にも相通じるところがある。あれ?ホンダのクルマには特にキャッチーな名称がない!? いやいや、すべてがM・M思想(マンマキシマム・メカミニマム)の内にあるのですよ……。

国内においては、お世辞にも活況とはいいがたい二輪市場にあって、日本メーカーも販売の主軸は海外にあり、ゆえに海外で生産されたモデルが日本に導入されることも多い。特に中〜小排気量はその傾向が強い。「eSAF」はアジアで展開する他車種にも取り入れられるそうだから、そのうち日本にもこの「eSAF」仕様のモデルがやってくるかも!?

 

●インドネシアで発表した「Genio(ジェニオ)」

[ジェニオ製品概要]

・発売日:2019年6月21日(インドネシア)
・価格:1720万ルピア(円換算で約13万580円〈2019年6月21日〉)
・特徴:
若者にマッチしたカジュアルなデザインと日常の使い勝手に優れたコンパクトなサイズ感に仕上げた。エンジンは燃費性能をより向上させた新世代の110ccの環境エンジンeSPを搭載。新設計のフレーム「eSAF」により軽量化をすることで、機敏かつ軽快な乗り心地を実現する。装備面では、LEDヘッドライトとスタイリッシュなテールランプ、分離型ウインカーランプを採用し、モダンな印象を演出する。シート下には14リットルの大型ラゲッジボックスを備える。

 

*製品仕様・価格などは発表時のもの


 

ホンダ

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