【発売直前】フリード/フリード プラス、マイナーチェンジモデルの実車見聞【走りも変わった】

●新グレード「クロスター」

新規ユーザー獲得も目指して

2019年10月18日の正式デビューを前に、実車に触れる機会を得た(価格やスペックは現時点で未公開)。FREED/FREED+(フリード/フリード プラス)、マイナーチェンジ版である。ホンダとしては、Nボックス、フィットに続く3番目の売れ筋モデル(2018年度登録台数)。現行車はユーザーの評価も非常に高く、不満点はほぼなし。2016年9月のデビューから3年目、さらに信頼されるための改良であり、大きくイジったという印象はない。

●フリードの標準車
●標準車のリヤまわりの変更点は、ハイマウントクリアレンズを赤レンズにしたことぐらい。ちなみにアルミホイール黒色部分もダークグレーとなっている

とはいえ、見た目が変わった。標準車は“凛”をテーマに、精悍で落ち着きのある表情にしたという。おもな変更点はボンネットフード、フロントグリル/バンパー。そもそも現行車のデザインは非常によくまとまっていたし、今回の改良に際して“変えるために変えた”感は否めない。

●フリード クロスター

一方で話題を集めるのが新機種クロスター。SUV風のスタイルでアクティブな印象に仕上げた。本格派ではなく、気軽なアウトドアを楽しむユーザーが増える昨今、新規顧客を得るために追加したモデルだ。専用のフロントグリル/バンパーにはじまり、サイドシルガーニッシュやリヤロアスポイラー、ルーフレール、アルミホイールなどなど変更点は多岐に渡るが、どうせなら最低地上高を少しでいいからかさ上げして欲しかった。悪路は行かずとも、“行けそうな安心感”は大事だと思う。カスタムの幅も広がり、さらに愛すべき存在になれそうな気がするのだが。

●標準車に対しての変更点は、フロント/サイドのみならず、リヤのロアスポイラーにまで至る。ルーフレールや専用のアルミホイールも識別点。標準車も合わせて、ハイマウントクリアレンズは赤レンズになっている

 

●標準車のインパネ
●クロスターの運転席から助手席まで真横に走るインパネ加飾は、専用のローズウッド(写真)
●クロスターには、シートだけではなくドアトリムにもオレンジステッチを配置。上質かつアクティブな印象だ

インテリアの変更点は少ない。こちらも質感及び使い勝手に不満はなく、新機種クロスターのオレンジステッチ追加がおもなトピック。センタータンクレイアウトによる優れたパッケジングやシートアレンジなど、「このサイズ感でこれ以上何ができる?」と思わせる出来。特に2列シート車のフリード プラスは、フラットな荷室のおかげもあり相変わらず車中泊モデルとしてピカイチだ。

●クロスターの2列目はキャプテンタイプのみの設定。シート表皮はファブリックとプライスムースのコンビで、オレンジステッチがおごられる。2列目ベンチタイプは標準車のみに設定

走行性能にも細かなテコ入れ

なんだ内外装のみの変更か……と思うなかれ。じつは、パワートレーンや走りなども改良された。ホンダのミニバンとして初めて「ブレーキ操作ステップダウンシフト制御」が導入されたのだ。これは、状況に応じて適切なエンジンブレーキを実現するもの。坂道などでのCVT特有の“空走感”を低減するため、シフトダウンでエンジンブレーキを強めにかける制御だ。さらにコーナー手前でもシフトダウンを行い、旋回中はエンジン回転をキープ、出口では素早いレスポンスでスムーズに駆け抜けられるようになった。以上はガソリン車のみに追加された制御である。

操舵フィールにも手が加えられた。街なかでのスッキリ軽めのステアフィールはそのままに、例えば高速道路などでの直進安定性、レーンチェンジ時の安心感などを高めるセッティングに変更。具体的には、60km/h以上の速度域で、電動パワーステアリングの制御を重めに設定したという。ロングドライブ時に、より疲れにくくするためである。

●ルーフレールはクロスター専用装備。ルーフボックスなどを装着して荷物を載せてしまえば、3列目まで使って大人数でアウトドアに出かけることも可能。遊びの幅がぐっと広がるのだ

パワートレーンの種類は、ガソリン車に1.5リットルの直噴エンジン、ハイブリッドに1.5リットル+7速DCT(モーター内蔵型)と現行同様。ただ、細かな改良が施され、その実は2017年6月に実施したフィットのマイナーチェンジの内容を組み込んだもの。具体的には、ハイブリッドはエンジンのインテークポートやシリンダーヘッド、ピストンの改良、さらに排気バルブがナトリウム封入型になり、燃費向上に寄与。ガソリン車も含めて触媒貴金属量を増やすなどして、排ガス性能も向上した。全グレードでWLTCモードに対応、平成30年排出ガス基準75%低減となった。

安心・安全のために

今回のマイナーチェンジで、安全運転支援システム「ホンダセンシング」が全車標準装備となったのはうれしい点。ACC(追従式クルーズコントロール)は全車速タイプではないが、加減速フィール向上、追従走行から加速への移行時間短縮など、性能向上を実現。標識認識機能は英語併記(「止まれ」の下に「STP」と表記されたもの。来年の東京オリンピック/パラリンピック開催に向けて取り付けが進みつつある)にも対応。後方誤発進抑制機能も追加、後退時の安心感も高められた。

衝突安全性能は現行車と変わらずJNCAPでファイブスター。とはいえ、さらなる安全性向上のために、レッグサポート付きISO-Fixチャイルドシートに対応した。「え、いままではダメだったの?」と正直驚いたのだが、じつは現行車の場合、衝突時にレッグサポートが床面を凹ませてしまう可能性があったとのこと。マイナーチェンジでは床面の強度を上げて、万が一の衝突時でも変形しないよう改良が施された。

地に足が付いたマイナーチェンジ。惜しいのは、ACCが全車速タイプにならなかったことぐらいか。

●クロームを使ったグリルとガーニッシュなど、マイナーチェンジ車に合わせたカスタマイズを提案。ハンズフリースライドドアは、これまでの左側のみならず右側にも新規追加されている

〈文=本誌・柿崎 写真=澤田和久 photo by Kazuhisa Sawada〉

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