日産が経営新体制を発表。新CEOは内田 誠氏。集団主導体制で困難を乗り切れるか?

新CEOは現中国責任者の内田 誠氏
副COO2人とともに日産を前進させる

●記者会見にのぞんだ豊田正和独立社外取締役 筆頭独立社外取締役 指名委員会委員長(右)と木村 康独立社外取締役 取締役会議長

2019年10月8日、日産は20時30分から記者会見を開き、新たな経営陣を発表した。会見には日産の独立社外取締役取締役会の木村康議長、独立社外取締役筆頭独立取締役指名委員会の豊田正和委員長が登壇。

現 専務執行役員で東風汽車有限公司総裁である内田 誠を代表執行役社長兼最高経営責任者(CEO)に任命することを決議した。

さらに、現三菱自動車工業株式会社最高執行責任者(COO)のアシュワニ グプタ氏を代表執行役兼最高執行責任者(COO)に任命、また現専務執行役員の関 潤氏を執行役副COOに任命することも、あわせて決議した。

本人事異動は遅くとも2020年1月1日付けとし、それまでは代表執行役最高執行責任者代行である山内康裕CEOが務める。現状内田氏は東風汽車有限公司総裁、グプタ氏は三菱自動車のCOOのため、それぞれの会社の了解を経てからの任命となる。なお、山内康裕CEOの今後のポジションは未定だ。

2018年11月にカルロス・ゴーン元代表取締役会長とグレゴリー・ケリー元代表取締役が逮捕され、さらに後を引き継いだ西川廣人氏もグレーな金銭問題で今年9月に退陣が発表。指導者不在となっていた日産は、経営的にも困難な状況に直面しているだけに、それらの問題を抜本的に解決できる新体制だと、新たな経営陣を選定した指名委員は太鼓判を押す。

選考にあたっては、2019年6月に新たなガバナンス体制のもと、指名委員会のリードによって候補者の審査を行った。6月の時点では100人のリストがあり、9月に6人までに絞ったという。今回任命された内田 誠氏は日商岩井を経て、日産に入社。その後、中国事業の責任者として活躍していた。日産、ルノー、三菱のアライアンスを重要視しており、決断のスピードアップを目指す姿勢などが評価され、全員一致での指名となった。

また、今回は日産初の副COOポジションが用意された。インド出身でルノーも日産も経験し、現在は三菱のCOOのグプタ氏と、技術畑の関氏の2人で内田氏を支えていく陣容だ。3人に共通するのは、アライアンス重視、グローバルな国際人、そしてスピード重視という3点。これまでの独裁状態ではなく、3人の多様性のあるリーダーシップで、日産を再びV字回復に導く。

質疑応答では、西川廣人氏がCEO時代に作られた中期経営計画どうなるのかとの質問があったが、「中期経営計画は西川氏のものではなく、日産のもの。当然、現在あるプランを遂行していく」と回答。ただし、方針の修正などは3人のリーダーが今後決めていくことだとした。

選考に当たった木村氏は、「内田氏は日産を前進させるリーダーにふさわしい。新しい日産の再建に、一丸となって取り組んでもらいたい」と新体制に期待を寄せた。

膿を出し切る、と言い続ける日産。「膿を出し切った」と内田氏が言う日は近いのだろうか。