新型スカイライン「史上最強のエンジン」というフレーズに、「R30」を思い出す。

●スカイライン400R

ターボによる高性能化、フロントデザイン大幅刷新って……

シリーズで累計300万台が生産され、現在も20万台が日本の道を走っているという日産スカイライン。その新型モデルが2019年7月16日に発表されたが、デザインを刷新したほか日産エンブレムや丸型テールライトを復活、また「速いスカイライン」の復権を目指しトップグレード「400R」を登場させた。
「400R」には日産自らスカイラインの車名を持つモデルの中で「史上最強」と表現する405馬力の3ℓツインターボエンジンが搭載されているのだが──ターボによる性能追求、「史上最強」のキーワード、大きく変化したフロントまわりのデザイン──このV37型スカイラインの“ビッグマイナーチェンジ”は、どこか6代目スカイライン・R30系がたどった道を思い起こさないだろうか。

6代目スカイライン(R30系)は1981年に登場

●ハードトップ2000ターボGT-E・S

R30という型式が与えられた6代目スカイラインは、「New愛のスカイライン」のキャッチフレーズとともに1981年8月に登場。カタログなどのイメージキャラクターに熱心な自動車ファンでプロレーサーとしても活躍した俳優・ポール・ニューマンが起用され、ファンからは“ニューマンスカイライン”とも呼ばれた。
車体面は2000GT系とTI系が同一のボディとなり、“ロングノーズ”ではなくなったが、ボディの軽量化を実現。
エンジンは、直列4気筒のTI系には1770ccのZ18S型と1952ccのZ20E型を設定。ただし、登場から約1年後の1982年10月に上級の2000TIは整理され、1800TIに一本化。同時にエンジンはCA18S型とCA18E型に換装されている。
直列6気筒エンジンを搭載する2000GT系には、1998ccのL20E型とそのターボ版のL20ET型、それに実用域のトルクを重視した2792ccディーゼルのLD28型が設定された。

●ボディはハードトップ、セダン、ハッチバックの3種が用意された。

4気筒のホットバージョン「2000RS」を追加

●セダンとハードトップに追加された2000RS。写真はセダン2000RS

そして間もなく、1981年10月にはDR30の型式を持つ「2000RS」を追加発表。 搭載されたエンジンはFJ20E型直列4気筒DOHC4バルブで(S20型エンジン以来の4バルブエンジンとなる)、世界初の気筒別順次噴射方式のシーケンシャルインジェクションや電子式エンジン集中制御システムECCSを採用。排気量は1990ccで、最高出力は150馬力/6000rpm(グロス)、最大トルク18.5㎏m/4800rpmを発揮。トランスミッションは2速をハイギヤード化した5速MTで、後に3速ATも設定された。
フロントのデザインやアルミホイール、そして車体側面に堂々と描かれた「RS 4VALVE DOHC」のロゴなどが、外観上で2000GT系と異なるポイントだ。

●FJ20E型直列4気筒エンジン。赤い結晶塗装のカムカバーが装着されている点も大きな特徴。

ターボを採用して「史上最強のスカイライン」登場

●RS同様、セダンとハードトップに設定されたRSターボ。写真はハードトップ2000ターボRS

その後、60扁平タイヤの解禁によるミシュラン製195/60R15タイヤへの変更、リミテッドスリップデフの改良など、2000RSは細かなアップデートが随時行われていったが、大きく注目を浴びたのが1983年2月に発表された「2000ターボRS」だ。「史上最強のスカイライン」のキャッチフレーズが与えられ、ギャレットエアリサーチ製のターボを装着したエンジンは最高出力190馬力/6400rpm、最大トルク23.0㎏m/4800rpmへと大幅に出力を向上。また、エンジンの高出力化にともないブレーキ径も拡大された。

●ターボを装着したFJ20ET型直列4気筒エンジン。サージタンク上には「TURBO」の文字が誇らしげにあしらわれている。

フロントデザインを大胆に変更し「鉄仮面」へ

●ハードトップ2000ターボインタークーラーRS-X

しかし、R30スカイラインの進化はまだ終わらなかった。
1983年の8月にRS系とGT系がマイナーチェンジ、遅れて10月にはTI系のマイナーチェンジが行われる。GT系、TI系はヘッドライト、グリル、バンパーなどが変更されているが、デザイン的にはキープコンセプトと言えるものだった。
一方のRS系はそれまでのイメージを一変しグリルレスのデザインに。その個性的な“顔”は、今に至るまでファンから「鉄仮面」の愛称で親しまれている。
また、先進技術を積極的に取り入れるスカイラインらしく、ターボRSにはクルーズコントロールや8種類の調整機構を持つシートなど、快適装備を充実させた上級グレード「2000ターボRS-X」も設定された。

そして1984年2月、R30系の“究極進化バージョン”と言える存在、「2000ターボインタークーラーRS/RS-X」が登場。空冷式インタークーラーを装着したFJ20ET型直列4気筒エンジンは、205馬力まで最高出力が引き上げられる。国産車で初めて「100馬力/ℓの壁」を越えた同車は、その後のターボを用いたパワー競争の火付け役ともなった。

●最新の日産ブランドを象徴する「Vモーショングリル」を採用し、最新のGT-Rにも通じるイメージとなった新型V37スカイライン。“鉄仮面”になぞらえ、新型の愛称は“V仮面”とか“GT-R仮面”とかに……ならないか。

(まとめ●オールドタイマー編集部・上野)