記録的な雪不足となっている今シーズン。「せっかくスタッドレスタイヤに履き替えたのに…」、「スタッドレスタイヤを新調したのに…」と思っている人も少なくないのではないだろうか? とそこで。最近よく耳にするオールシーズンタイヤ。どうやら突然の雪には耐えられるらしいのだが、でもそれって本当に雪道で乗っても大丈夫なの? というわけで、住友ゴム工業が今シーズン発売したオールシーズンタイヤ、ダンロップ オールシーズンマックスAS1で雪山に向かった。
タイヤサイズ:155/70R13 75H〜225/45R18 95H XL
価格:オープン
都市部に住んでいると、雪道を走る機会は少ない。年に数回の大雪と、スキーやスノボのときだけ。そのためにスタッドレスタイヤにするのはもったいない。履いていないタイヤの保管スペースだって確保しにくいのが現状だ。しかし、スタッドレスタイがないといざというときに困るし、周りに迷惑をかけるのも絶対に嫌。
そんな、スタッドレス問題に頭を抱えている人にとって、基本な夏タイヤなのに、雪道も走れるオールシーズンタイヤはひとつの最適解かもしれない。でも、その雪道での性能は? 肝心なときに使えないようでは意味がない。実力を調査すべく、雪山に向かった。
今回のタイヤは、ダンロップのオールシーズンマックスAS1。2019年10月に発売されたばかりの最新モデルだ。まずは市街地〜高速道を走行する。簡潔にいえば、オンロードでの走行感覚は夏タイヤとほとんど変わらない。今回は夏タイヤと同サイズで履き替えたのだが、コーナーやレーンチェンジでも、スタッドレスタイヤによくあるニュルっとした腰の弱さもない。乗り心地はいいし、ブレーキングも不安なし。転がり感が軽快で、早朝の空いた街なかを気持ちよく駆け抜けられた。
高速道路でのロードノイズは、純正夏タイヤと少し音質が違うかなというレベル。スタッドレスよりははるかに小さい。今回は後席に子供を乗せていたのだが、会話の邪魔になることも、睡眠を妨げるようなこともなかった。これなら毎日使ってもストレスにならないだろう。また、燃費も悪化しなかった。
さて、今回走行した磐越道は冬用タイヤ規制が敷かれていた。うっすら雪が積もっている程度だったが、スタッドレスではないのでいつもより慎重に走ったとはいえ、不安感は皆無。ちなみに勘違いしている人もいるが、オールシーズンタイヤは冬用タイヤ規制にも対応している。ダメなのは全車チェーン規制。これは、スタッドレスでもチェーンを装着しなければ通行できない。
路面状態 | オールシーズンマックスAS1(オールシーズンタイヤ) | ウインターマックス02(スタッドレスタイヤ) | エナセーブEC204(サマータイヤ) |
氷上 | ✕ | ◎ | ✕ |
雪上 | ◯ | ◎ | ✕ |
シャーベット | ◯ | ◎ | ✕ |
ドライ | ◎ | △ | ◎ |
ウエット | ◎ | △ | ◎ |
高速道路 冬用タイヤ規制 | 通行可 | 通行可 | チェーン装備 |
全車チェーン規制 | チェーン装備 | チェーン装備 | チェーン装備 |
猪苗代ICを降りて山を上ると、どんどん雪が増えてきた。雪道で恐ろしいのは「上り坂」。一度止まってからの再スタートはスタックの危険性が高い。今回はFFのシトロエンC3だったが、雪の上り坂もちゃんとクリアできた。スタッドレスのほうが雪道に食いつくのだろうが、オールシーズンマックスAS1も多少タイヤを空転させたがちゃんとスキー場までたどり着けたのは評価できる。
試しに、シャーベット上の道も少しラフに攻めてみた。多少滑るが、狙った方向にクルマの向きを変えられる。スタッドレスよりちょっと滑ると思って運転すれば、雪山でも問題なく目的地にたどり着ける実力を確認できた。
ドライやウエットでは夏タイヤと同等のグリップと乗り心地で、雪道もちゃんと走破できたダンロップのオールシーズンマックスAS1。さすがに凍結路は守備範囲だし、雪道性能もスタッドレスのほうが優れているので、北海道や豪雪地域のユーザーにはオススメできない。しかし、都市部で雪の日も運転する可能性が高い人、年に数回ゲレンデに向かう人には、コスト的にも性能的にもベストバイといえる1本だ。
〈文=driver編集部 太田 写真=岡 拓〉
■問い合わせ先
ダンロップ
0120-39-2788
https://tyre.dunlop.co.jp
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