〈令和元年に新車を買う〉消費税増税前の2019年度「エコカー減税」をおさらい〈クルマの税金〉

2019年度の税制改正に伴い、エコカー減税・グリーン化特例が変更となる。このうちエコカー減税で「自動車取得税」の軽減率が2019年4月1日より変更。同5月1日には自動車重量税の軽減率が変更された。従来であれば、2年ごとのエコカー減税の改正スケジュールであったのだが、2019年は10月の消費税引き上げが実施される。これに伴い、自動車取得税が廃止され、新たに新規取得時の環境性能割が導入されることになっている。自動車税については、このタイミングで新税制が適用される。ただし、自動車税のグリーン化特例は現行制度が2021年3月31日まで延長する。

結局どうなっているのか。わかりにくい状況で新車を検討している人もいるハズ。

ということで、今回の改正で適用される期間は半年足らずと短いが、2019年度のエコカー減税の改正のポイントをおさらいしておこう。

 


[エコカー減税・グリーン化特例とは]

■エコカー減税
排出ガス性能および燃費性能に優れた自動車に対して、それらの性能に応じて、自動車重量税と自動車取得税を免税もしくは軽減するもの。減税対象車については適用期間中に対象車両を新車で新規登録を行った場合に限り、特例措置が適用(1回に限る)される。

■グリーン化特例
適用期間中に対象車両を新車で新規登録などを行った場合に限り、当該年度の翌年度分について特例措置が適用される。

 


[2019年度税制改正のスケジュール]

〈エコカー減税〉

・2019年4月から
自動車取得税の軽減税率が引き下げ

・2019年5月から
自動車重量税の軽減税率が引き下げ

〈2019年10月の消費税引き上げ時に新税制が適用〉

・自動車取得税を廃止
・環境性能割を新たに導入(新規取得時)
・自動車税に新税制を適用
・自動車税と軽自動車税のグリーン化特例は2021年3月まで延長

上記のように、2019年度のエコカー減税は、まず、従来に比べて減税の適用車種が絞られるとともに軽減率が引き下げられた。

 


2019年9月30日までの減税措置

自動車取得税については、次世代自動車〈EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、クリーンディーゼル車〉および、2005(平成17)年排出ガス基準75%低減レベルを満たした上で、2020年度燃費基準より40%以上燃費性能がいいもの(+40%達成以上)を免税(非課税)とするのは従来どおり。+30%達成の80%軽減、+20%達成の60%軽減だったものが50%軽減に引き下げられた。+10%達成も40%軽減だったものが25%軽減になった。2020年度燃費基準達成車は従来と変わらず20%軽減される。この減税措置は10月1日の消費税引き上げに伴い、2019年9月30日で廃止される。

自動車重量税は、取得時の次世代自動車および2020年度燃費基準+40%達成以上は免税だ。ただし、従来は3年後の車検時も免税だった+50%達成車は対象外になった。よって、ハイブリッド車・ガソリン車で3年後の車検時も免税となるのは+90%達成車に限られる。また。+30%および+20%達成車は従来の75%軽減から50%軽減に、+10%達成車は50%軽減が25%軽減に引き下げられた。2020年燃費基準達成車は25%軽減で変わらず。自動車重量税の減税措置は2021年4月30日まで適用される。

自動車税のグリーン化特例は、従来からの減税措置を2年間延長し2021年3月31日まで適用する。

 

●2019年度エコカー減税・グリーン化特例(2019年9月30日まで)

 


2019年10月1日からは取得税を廃止。
新たに環境性能割を導入

2019年10月1日から、消費税が従来の8%から10%に引き上げられる。これに伴い自動車取得税が廃止となる。代わりに導入されるのが「環境性能割」だ。これは排出ガスが少なく、燃費性能に優れるクルマを優遇する措置。基本を非課税としながら、排出ガス基準や燃費基準の達成度に応じて車両取得価額に一定の税率を課税するものだ。これまでのエコカー減税では、あらかじめ課税していたものを”割り引く”かたちであったが、それとは逆の”割り増す”ことで取得時に課税するものとなる。

具体的には、自動車取得税同様に排出ガス基準ならびに燃費基準の達成度により「環境性能割」が算出される。次世代自動車と2020年度燃費基準+20%達成車以上を非課税とする。これ以外については、2020年9月30日まで経過措置として以下の優遇措置を設けている。

+10%達成車は非課税(2020年10月1日からは取得価額×1%の課税)となり、2020年度燃費基準達成車は取得価額×1%(同取得価額×2%)の課税となっている。2015(平成27)年度燃費基準達成車およびそれ以外の車両に対しては、取得価額×2%(同取得価額×3%)が課税される。

 

●2019年10月1日からのエコカー減税(重量税)・自動車税のグリーン化特例、新導入の環境性能割

 

 


自動車税は10月1日以降の
新車新規登録車に新税制を適用

自動車税は、グリーン化特例を従来からのものを2年間延長して適用するが、2019年10月1日以降に新車を新規登録した車両に対しては新たな税率を適用する。具体的には、1000cc以下は従来2万9500円だったのが2万5000円になった。2000ccまでは5500円ずつアップし、以降変則的に課税額が増えていき、6000cc超で11万円が課税される(従来は11万1000円)。排気量が少ないモデルはより優遇されるようになったのだ。

ただし、2019年9月30日までに新車を新規登録したものについては、従来(現行)の税額が適用される。

●2019年10月1日以降に新車を新規登録する際の自動車税額

 


エコカー減税の恩恵は、ますます受けづらくなる!?

上記のように、エコカー減税は基本的に増えすぎたエコカーが圧迫する財政を鑑み、減税規模を縮小する方向で税制改正を行った。また、消費税の10%引き上げが予定どおり2019年10月から実施されることから、自動車の新車取得時に課税する取得税もこの時点で廃止される。一見すると新車購入時の税負担が軽くなるように感じられるのだが、これも一時的なものかもしれない。

なぜなら、環境負荷の少ない電気自動車やプラグインハイブリッド車、ディーゼルエンジン車などは、従来から免税対象車として優遇されいるのだが、ラインアップはまだまだ少ない。ハイブリッド車は免税対象車から外れる車種もある。そして、過度な燃費競争が一段落し、環境性能を考慮しつつも、燃費より走りの力強さや質感に重きを置いて開発されるようになってきているからだ。

 

<まとめ=編集部>