トヨタがポディウム独占! 現地直送便WRC第10戦ラリー・ドイッチュラント

●バウムホールダーの演習場内に設けられたSSを走行する、O・タナックのヤリスWRC

 

本誌&本サイトでおなじみの山本佳吾カメラマンが、ドイツの現地から緊急速報! シーズン最後のオールターマック(舗装路)ラリーで、トヨタが1-2-3フィニッシュを達成した。臨場感ある写真とともにお送りするぞ。


WRC 2019 第10戦
第37回 ADAC ラリー ドイッチュラント 2019
日時:8月22~25日
サーフェイス:ターマック
SS総走行距離:344.04km(SS数19)
サービスパーク:ボスタールゼー


上位陣に次々とトラブルが襲いかかる

週末を通して天候に恵まれたラリー・ドイッチュラント。ラリーは序盤からチャンピオン候補同士のバトルから始まった。オープニングステージから好スタートを切ったO・タナック(トヨタ)と、地元ベルギーから近いこともあり多くのファンが駆けつけたT・ヌービル(ヒュンダイ)との息詰まるバトルが繰り広げられる。

●ヒュンダイのi20クーペWRCを駆る、T・ヌービル。パンクがなければ……

セッティングが合わずタナック、ヌービルからジワジワと差を広げられるS・オジェ(シトロエン)は、結局パンクで大きく順位を下げトップ争いから脱落。そして、一時は4位を走行していたヒュンダイのD・ソルドは、マシントラブルに襲われこちらもトップ争いから脱落。

●今はオールラウンダーだが、元はターマックスペシャリスト。ヒュンダイのD・ソルドも上位争いに加わったが、ギヤボックストラブルで遅れてしまった

ラリーが大きく動いたのはバウムホルダーの軍事施設内が舞台の名物ステージ「パンツァープラッテ」。このラリー最長の41.17kmのステージSS13で、ヌービルがまさかのパンク。タナックの独走を許してしまう。

 

トヨタの1-2-3は2017年のWRC復帰以来初!

1位タナック、2位K・ミーク、3位J・ラトバラのトヨタの1-2-3で迎えた最終日。タナックは余裕のクルージングモードでペースをセーブ。そして迎えたパワーステージとなる最終ステージ。前日にパンクで大きく順位を落としたヌービルがトップタイムを叩き出し、5ポイントを獲得するも、順位は変わらずトヨタがポディウムを独占。ヤリスWRCで復帰以降初めての1-2-3だ。

●トヨタのK・ミークは加入以来初めてのポディウム獲得。嬉しい2位フィニッシュだ
●3位フィニッシュのJ・ラトバラ。前戦フィンランドに続き、2戦連続でポディウムを獲得した

結局ヌービルは、最終的にはチームメイトのソルドに順位を譲られる形で4位。5位ソルド、6位A・ミケルセンとなり、4位から6位をヒュンダイ勢が獲得した。

●表彰台独占に、T・マキネン代表(真ん中)も嬉しそう

●トヨタのタナックは今季5勝目。ポイントリーダーを守り、2位ヌービルとの差を33ポイントに広げた
●ドイツにもやってきた「タナック応援団」に囲まれるタナックとコ・ドライバーのM・ヤルヴェオヤ

 

注目の若武者&ヤリス初参戦は?

今回のもう一つの注目が、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムからドイツに初参戦した勝田貴元/ダニエル・バリット組。

勝田は今年、フィンランド選手権に2度ヤリスWRCで参戦し、いずれも総合優勝を飾るなど、着実に経験を重ねている。これまでWRCにはWRC2クラスにフィエスタR5で参戦してきたが、今回初めてヤリスWRCでのWRCクラス(トップカテゴリー)への参戦が実現した。

ヤリスWRCでのターマックラリーは、これが初めての走行となる勝田。タイムや順位を狙うよりも、経験値を上げることが今回の参戦では最優先とされた。

世界でもトップレベルの難易度を誇るドイツのステージは、モーゼル川沿いのブドウ畑の農道や、軍事施設内のステージなど、特殊な路面が待ち受ける。エンジンをストールさせるなど、細かいミスがあったものの、日を追うごとにライバルとのタイム差も縮まり、総合10位で完走をはたした。

次のヤリスWRCでの参戦はスペインが予定されている。

●TGRラリーチャレンジプログラムの“若武者”勝田貴元(右)は、ヤリスWRCで初めてのWRCトップカテゴリーに挑戦。初めて走るラリー、そして慣れないWRカーでのドライブだったが見事に完走し、総合10位フィニッシュ。ドライバーズポイントをゲットした

第10戦ラリー・ドイッチュラントを終えて、選手権トップのタナックと2位ヌービルの差は33ポイント。今シーズンは残り4戦。果たしてヌービルはタナックの独走を止められるのか?

 


ラリー・ドイッチュラント2019 最終リザルト
1. O・タナック(トヨタ)     3h15m29.8s
2. K・ミーク(トヨタ)      +20.8s
3. J・ラトバラ(トヨタ)      +36.0s
4. T・ヌービル(ヒュンダイ)   +58.5s
5. D・ソルド(ヒュンダイ)    +1m16.6s
6. A・ミケルセン(ヒュンダイ)  +1m46.2s
7. S・オジェ(シトロエン)    +1m56.3s
8. E・ラッピ(シトロエン)    +2m02.2s
9. G・グリーンスミス(フォード) +6m22.2s
10. 勝田貴元(トヨタ)      +8m19.2s


 

<文&写真=山本佳吾 text & photo by Keigo Yamamoto>