なぜここまでよくなった? 新型カローラシリーズの走りに驚いた

 

電子制御に頼らず進化した
走りの基本性能

新型カローラシリーズは劇的な変化を見せた。先代は国内専用モデル。海外で販売されるモデルとはプラットフォームをはじめ、まったく別物のクルマだった。一方で新型は、約1年半前に先行して登場したハッチバックのスポーツと同様、セダンとワゴンにもTNGAを採用したのがトピックだ。

なぜ後席は狭くなった? 新型カローラ&カローラツーリング登場

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TNGAのCセグメント用プラットフォームは現行プリウスから。C-HRなどにも採用しているが、カローラではさらに磨きがかけられたという印象だ。クルマの挙動がとても自然で、ピッチングやロールがうまく抑えられている。トヨタは新たに「人目線でのファントゥドライブを目指した」という。これには3つのポイントがあり、1つは目線の動かされにくさ、2つ目は旋回姿勢の決まりやすさ、3つ目がライトントレース性の向上。どれもドライビングの基本的なことに結びつく項目だが、これらを電子制御ではなく(EPS=電制パワーステアリングは除く)、ほぼメカニカルで制御している。

ピッチングやロールの変化を抑えることで乗員の目線が安定するため、視覚情報とクルマの挙動が一致しない不自然な時間をなくしているという。ドライバーの頭がブレないことが操縦性やドライブフィールを左右する重要な要素であることは昔からいわれているが、カローラは改めてセッティングし直したというわけだ。もちろんベンチマークはフォルクスワーゲンのゴルフで、エンジニアいわく「ゴルフを超える安定感を実現した」という。試乗した実感として、ゴルフを大きく超えたとまではいえないが、肩を並べるか少しカローラが上まわっているレベルに到達。これは日本での100km/h前後の使用環境での評価だが、TNGAを使うとカローラもここまでできるのかと正直驚いた。

●カローラ ツーリング

試乗したのは神奈川県横浜市界隈。首都高速神奈川1号横羽線のみなとみらいから高速道路に乗り、湾岸線の大黒PAを往復。このPAはループ状のアクセス路が長く続き、コーナリングの安定感を確かめるには都合がいい場所で、横浜での試乗会ではここも評価ポイントにしている。カローラはセダン、ツーリングともにロールの安定感が高く、Gがかかるなかでの車線変更でも不安感がまったくない。こうした場面ではクルマの挙動とステアリングの操舵感がリンクしていないと不安感が高まるが、カローラは安定したままループを勢いよく駆け上がることができた。こうした部分は先代とは雲泥の差だ。

旋回姿勢を作りやすく…って
どこかのメーカーで聞いたような!?

●カローラ

ポイント2つ目の旋回姿勢の決まりやすさだが、これがおもしろい。ロール時にショックアブソーバーの減衰力を最適化することでフロントに荷重移動させ、旋回姿勢を作りやすくしているという。これも基本的なドライビングの作法だが、最近これに似たことをいっているメーカーがある。ドライビングとメカ好きの方ならピンときたはずだ。そう、マツダのGベクタリングコントロールだ。マツダは操舵時にエンジントルクを瞬間絞ることでフロントに荷重移動させて安定した旋回姿勢を作っているが、カローラはショックアブソーバーによって荷重移動をしているという。

この点を新型カローラのシャシーのエンジニアによく聞くと、サスペンションのセッティングだけではなく、ポイント3のライトントレース性の向上もハンドリングに関係しているようだ。EPSの制御によってステアリングから感じるタイヤの手応えをあえて“作り出している”という。この制御を行うためにEPSそのものを新世代に移行させたという。いわばフェイクだが、フェイクと感じさせないのが素晴らしい。

さて次は、カローラスポーツの新旧比較。改良前のユーザーが羨む進化についてだ。

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