【SEMA2019】GRスープラに伝説の「3000GTコンセプト」……ちょっと残念な部分も?

2019年11月5日、アメリカ・ラスベガスで開催されているSEMAショーでGRスープラ3000GTコンセプトが発表された。これはTRDとモデリスタが統合したTCD(トヨタ・カスタマイジング&デベロップメント)が手がけたもので、1994年の東京オートサロンでTRDが発表した80スープラをベースにしたコンプリートカー「TRD3000GT」を最新の90GRスープラで再現したようなカスタムカーだ。

外観は、オーバーフェンダーをプラスしたワイドボディキット、フロントリップ、ボンネット、サイドスカート、リヤウイングを組み付けており、特に当時のTRD3000GTの特徴ともいえるボンネットに開けられた四つのエアスリットやリヤウイングの形状を明確に再現。ファンにとっては、一目でこのクルマがTRD3000GTの再来だと認識できるうれしいポイントがしっかりと表現されているのだ。

フロントバンパー下のエクステンションはノーマルを用い、カーボンパーツを追加した形で、フロント周りの迫力もアップ。サイドスカートはすでに発売されている同社のパフォーマンスラインのパーツの取り付け位置を外側にすることで対応している。ボディカラーは当時のTRD3000GTのシルバーを意識したアルミ削り出し風のラッピングが施されている。

オーバーフェンダーに合わせて広げられたトレッド一杯に装着される19インチ鍛造アルミホイールは専用デザイン。タイヤはフロント265/30R19、リヤ285/35R19を履く。その他のカスタムポイントとしてサスペンションはテインのコイルオーバー、HKSのエクゾーズト、ブリッドのレーシングバケットなどを装着している。

TCDで開発を担当した栗本龍治氏は、「ショーに出ているド派手なクルマに比べ、”このまま売り出してもおかしくない”雰囲気を出せたと思います。フードのエアスリットやリヤウイングの形状は外せないポイントです。特にリヤウイングは当時の80スープラのリヤウイングをベースに台座部分と車幅を調整するように取り付けました」と語った。

デザインを担当したTCDの新美祐三氏は「パーツキットとして市販されているパフォーマンスラインはストリート向けで、3000GTはよりハードでコンペティションにやりたいという気持ちがありました。サーキット走行も考え、特にダウンフォースにこだりました」

3000GTのキット販売の可能性を栗本氏に聞いてみると「今回のイベントでの反響等を観ながらリサーチしていきたい」とのこと。十分期待が持てそうだ。

来場したGRスープラのチーフエンジニアの多田哲哉氏は「コンセプトとしてはいいね。とはいえ、ヘリテージはとても大事だけれど、もっと新しい提言のようなチャレンジが欲しい」とやや辛口のコメント。

筆者が違和感を感じたのは発表されたモデル名だ。折しもこのモデルが発表されたプレスカンファレンスでは、米国にTRDが登場してから40周年となることを記念し、これまでのレースでの戦歴や現在でも販売されているTRD仕様のモデル(カムリやアバロン)を紹介するなど、北米でのTRDの認知度の高さを再確認させられたところ。それだけに、伝説のTRD3000GTの再来というイメージのコンセプトモデルに「TRD」が冠せられないのは寂しく、ちょっと複雑な気持ちになってしまったのである。

80スープラがベースの「TRD3000GT」はこちら(TRDのHPより)↓↓↓

〈文&写真=ケニー中嶋〉