デザインを変えないでくれ!との声も多かった? 新型ハスラーのデザインQ&A

とにかく、「タフ」で「力強さ」が大事!

新型ハスラーのデザイナー2人にインタビューする機会を得た。随分思い切ったデザインに感じられるインパネや、6ライトキャビン。今回の一貫したテーマは「タフで力強い」とのことだが、そのイメージをどうやって煮詰めていったのか? 

四輪デザイン部 四輪インテリア課 係長 粒来 広氏


四輪デザイン部 エクステリア課 係長 長田宏明氏

【インテリア】
Q:インパネは丸形で3つ囲むデザインが印象的。何をイメージした意匠ですか?

(粒来)先代で採用したカラーパネルが好評でした。なので、そこは継続してカラーパネルを使おうと進め、さらにもう少しSUVらしさを強調していこう、という方向にも繋がったんです。アウトドアツールの、タフだとかそういう機能感をスタイリングした。丸形は、それぞれの機能を囲むようなイメージで、じつは丸も上下が切ってあってタフな印象をも持たせてあります。インテリアにしろ、エクステリアにしろ、「機能それぞれわけたイメージ」は今回共通していますね。

●先代のインパネデザイン、カラーパネルが印象的
●新型のインパネ。3連プロテクションフレームが真っ先に目に入る

Q.今回のインテリアの方向性はどうやってまとめていったのですか?

(粒来)カラーパネルそのものにキャラクター持たせるのは苦労しました。また、社内でアウトドアが好きな、アウトドアに興味のある社員同士で用品を持ち寄って集まり、アウトドア用品の魅力ってなんだろう? どこに引かれるのだろう? と意見交換を行い、今回のハスラーのスタイリングをまとめていったんです。

【エクステリア】
Q:全体的に水平基調に。写真では「あれ?」と思いましたが、実車を見ると随分印象が変わりましたね

(長田)まず、正面から見てもピラーが立っていて、後ろも伸びています。基本的な造形の構築が今回変わりました。先代は上下でボディに段差があり、鏡餅みたいになっている。今回で、上から下まで1つの大きい面としてつながるイメージとなりました。

●先代ハスラー、ボディに膨らみがある
●新型ハスラー、全体的にストンと落ちる

Q:ピラーも増えて、6ライトキャビンになりました。デザインなどで大変だった所はありますか?

(長田)技術的には、特に大変なことはありませんでした。ですが、ウインドーが1個増えたということで、コストなどはアップしています。さらに今回の2トーンはハードトップを意識したデザインとなっており、クロカンっぽいタフな感じを意識しています。今や当たり前になりつつある2トーンカラーは、我々としてはハスラーが先駆けという意識、今回のハスラーも驚くような、今までになかったような2トーンに、と思いDピラー周りまでL字型に色を変えました。

Q:なるほど。ちなみに、今回はほかに先駆け的なものはありますか?

(粒来)先代が発売された2014年からアウトドアがどのように変化したのか、市場調査にでかけました。ショッピングモールなどに行くとアウトドアがとても身近な存在になっていることを実感しますよね。アウトドア素人でも、アイテムとしてアウトドア製品もおしゃれに着ています。ギアのタフな造形も、クールな感じで使う時代になりました。そこで、今回新たにハスラーには、「基本的なアウトドアツールはタフでシンプルな力強いところ」を注入したんです。2014年からどんどんアウトドアが日常に近づいてきて、ベランダで自宅キャンプみたいなのをする人もいますし。ライフスタイル的なアウトドア要素が、今回のハスラーの先駆け的なデザインですかね。

Q:デザインを変えないでくれ、といった意見も多かったのでは?

(長田)確かに、今売れている商品を大幅にスタイリングを変えるのはどうなのか、といった意見が社内は多かったです。さらに「かわいらしい感じ」が先代の特徴なので、それで女性に売れたってイメージを持っている人が結構いました。ただ、我々としては当時の開発過程も知っているので、そのときに「かわいいクルマ作ろうよ」と言って作ったわけではありません。結果的にそういうイメージとなって女性の方にも買ってもらったということなので、あえてそれをコンセプトだとか目標にする必要はないんじゃないかな、とデザイナー陣は思ってました。なので、私たちは市場をリサーチして、確固たる信念のもと、イメージムービーを作るなどしてアイテムを色々集めて、シチュエーションを作りながら社内プレゼンしたんです。

●かわいいというイメージは結果論。力強さやタフさを重視したのは先代も同じだったのだ

Q.長田さんが思う、エクステリアで1番こだわった部分はどこですか?

ズバリ、最初にも言いましたが正面から見た横の断面ですね。じつは2段にしたほうが凹凸は付けやすいです。それにも関わらず、ストンと落ちたようなデザインにすると凹凸って付けにくい。けれど、完全にペッタリさせてしまうとよくない。アウトドアアイテムのような丈夫なイメージを持ってもらうために、鉄板の曲がり方など、その辺はかなり意識して、デザインしました。

Q.粒来さんが思う、インテリアで1番こだわった部分はどこですか?

キャビンに乗り込んだとき、インパネががっしりしたSUV的な世界観を味わってほしいと意識しました。それと、インパネの上面はスカッと抜いてあり、先代のドアに入っていたサッシュもなくなりました。窓から見える風景がキレイに見えるように心がけています。もちろんベルトラインを水平にすることで視認性がよくなります。それだけでなく、外出したときに景色がキレイに見れるといいな、という思いがあります。

〈まとめ=driver編集部・大庭 写真=岡 拓〉