なぜそんなに差が? マツダのスカイアクティブXは欧州4割超え、日本は1割未満…のワケ

欧州と日本で、なぜそんなに差がついたのか?

今、マツダで最も旬なモデルといえば、世界で初めて圧縮着火を実用化した新世代ガソリンエンジン、スカイアクティブXを搭載したマツダ3とCX-30だ。

スカイアクティブXは、ディーゼルエンジンのような高トルクと、ガソリンエンジンの伸びのよさを併せ持ち、そして燃費面でも我慢せずに気持ちよく走らせられるのが特徴。だが、「ちょっと価格が高いのでは…?」という声もある。排気量が同じ2Lの、スカイアクティブG搭載モデルとの価格差は約70万円。決して小さくない。

スカイアクティブXの発売は、レギュラー仕様からハイオク推奨へと変更されるにあたって、もともとの予定よりも遅れたのはご存知のとおり。最終的に発売開始は、マツダ3で2019年11月25日。CX-30で2020年1月16日。

マツダ3、CX-30それぞれの売れ行きはどれほどなのだろうか? 日本のデータを確認する前に、日本よりも先んじてスカイアクティブX搭載モデルが発売された欧州について。結論からいえば、かなり好評とのことだ。累計受注比率はマツダ3で39%、CX-30では44%。いずれのモデルもおよそ4割がスカイアクティブX搭載車を選んでいる。

さて日本に関して。マツダ3のスカイアクティブX搭載モデルの受注は2019年7月に開始。それから約半年後の2020年1月時点での受注構成比は…なんと1割に満たないという。

原因は…XとGの価格差にある?

欧州では4割、日本では1割未満。これほどの開きが出たのはなぜだろうか?

その大きな理由として上げられるのは、価格面。欧州でも日本でも最上級として位置づけられるのが2LのスカイアクティブXだが、同じ排気量のスカイアクティブGの種類が欧州と日本では違う。欧州2LのスカイアクティブGは、マイルドハイブリッド付きなのだ。

ここでマツダ3の5ドアハッチバックモデルに関して、欧州と日本、それぞれのスカイアクティブXとスカイアクティブGの価格差を見てみよう。

〈欧州〉※ドイツでのベース車の価格、1ユーロ=120円で換算
スカイアクティブX…2万6290ユーロ(315万4800円)
スカイアクティブG…2万3790ユーロ(285万4800円)
◆XとGの価格差=30万円

〈日本〉※ベース車の価格
スカイアクティブX…319万8148円
スカイアクティブG…251万5741円
◆XとGの価格差=68万2407円

スカイアクティブXとGの価格差は、欧州で約30万、日本で約70万円。欧州のスカイアクティブGはマイルドハイブリッド付きなので、日本のものよりも価格が高め。そのおかげもあり、「もう少しで最上級のスカイアクティブXが手に入る」という購買意欲が湧くのだ。その点、日本では70万円という価格差が高い壁として立ちはだかってしまう。そして、これはマツダの良心ともいえるが、どのグレードを選んでも基本的に見た目はほぼ同じ。最上級モデルを買わずとも、十分に満足できるのがマツダ3というクルマなのだ。

●ちなみにスカイアクティブXを選ぶと、黒の18インチホイールと大型マフラカッターが装備され、さり気なく差別化

世界初のエンジンに心引かれるといった、いわゆるカーガイが欧州のほうが多いという国民性もあるのかもしれない。でも、一番大きな理由はスカイアクティブXとGの価格差の違いにあるのだろうと思う。

本来、発売当初は高いグレードから売れて、徐々に安価なグレードへと移行するのが普通。(発売の遅れなどの理由もあるのだろう)スカイアクティブXは、特に日本においては思ったよりも売れていないと言わざるをえない。

そもそも、世はSUV時代。そんななかで、1月からスカイアクティブX搭載グレードの販売を開始したCX-30が、どれだけ人気を集めるのかにも注目したい。

〈文=driver@web編集部〉